噂されていた上場会社で、不適切な会計処理が行われていました。
まぁ、驚くほどのことではないです。
現行の会計制度を遵守すれば、製造業や建設業は不適切な会計処理なんですから。
もちろん、不正や欺きが許されるわけではありません。
現行の会計制度では、製造原価は全部原価計算(full costing)で計算されます。
製造にかかった材料費、労務費、経費など全部をまとめます。
そして、その原価をを売れなかった分と売れた分に分けます。
売れなかった分をまず決めて、その残りを売れた分のものとするわけです。
今の御時世、いくつ売れたかなんて、すぐ把握できますよね。
なのに50余年、この計算方法は変わっていません。
こちら、給料返して(苦笑)にも書きましたが、改めてここにも書きます。
製造業の原価計算
製造業の原価計算というものがあります。図解の方が分かりやすいのですが、ごく簡単に文章で書くと、
今の会計制度では、製品在庫が増えれば増えるほど、「利益が」増えます。それは、その期間働いた人の給料は、今期「売れなかった」在庫の分だけ、
「なかったものとして計算されてしまう」からです。「給料がなかったもの?」
と言っても、ピンと来ないかもしれません。
たとえばあなたの給料は100ですが、今期は100個作った製品のうち、
20個が在庫になったので、給料のうち20は今期、なかったものにします。こう計算するように、会計では決められているのです。
?????
一度払った給料を「製品が売れなかったから返して」と言われても、
返す人なんて一人もいませんよね。でも、今の会計制度では返してもらったかのような計算をして、
費用にした給料を減らします。ということで、経費が減る → 利益が増える、わけです。
いわゆる「見かけ上の利益」が増えるのです。場合によっては利益が出て、税金を払うことになるかもしれませんね。
でも、実際払った給料は返ってきてませんから、お金が足らなくなる・・・
そう、このように計算せよと法律で決まっているんです。
だってその方が利益は多く計算されますから、税金とれますしね・・・