先日、あるグラフを見て「なるほどなー」と感心し、そして考えたこと。
この棒グラフは何を表しているか?
この棒グラフは、ある順位を表しています。
数字の多いものが、左から右に並んでいます。
いちばん右は「その他」です。
いちばん左のオレンジ色は、ダントツです。
全体の44.5%の数字を叩き出しています。
このグラフは、もちろん正しい数値(結果)を表しています。
ここまでで、これが何を表したグラフか分かった方。
あなたは相当の政治通でしょう。
このグラフは、候補者について、得票数の多い方から順に並べたグラフです。
では、こちらの棒グラフを見てください
こちらのグラフは何のグラフでしょう?
パッと見ると、数字の多いものから順番に、左から右にグラフ化されています。
一番多いのは青色です。やはりダントツです。
青色は、全体の40.5%です。
このグラフは、先ほどのグラフと同じものです。
先ほどのグラフには、いちばん左の青色がありませんでした。
騙そうとして青色の棒を隠していたわけではありません。
上のグラフ、つまり「得票数」のグラフにおいては「青色」の棒は必要ないのです。
青色は「候補者」ではないから、「得票数」は無いからです。
種明かしをしますと、
上のグラフ(オレンジ色が1番)のグラフは、候補者の「得票数」を表したグラフです。
オレンジ色の方がダントツの得票を得たのです。
このグラフを作るにあたっては、投票された票のうち、有効なもの(カウントされたもの)の合計数についての分布です。
もう1つのグラフは、
その選挙においての「選挙権を持っている人の数」を表したグラフです。
そしていちばん左は、投票されなかった、つまり棄権票の数だったのです。
実に「選挙権を持っている人の数」40.5%です。
この選挙では、投票率は59.5%
一番勝ったオレンジさんは、選挙民全体の26.4%の得票だったということです。
もしこの選挙で、棄権票が投票であったら、結果は変わったでしょう。
「私が1票を投じたところで、結果は変わらない」
という意見は、意見としては聞きますが、「変わらないとは言い切れないよね」と反論しておきます。
違った視点でも見てみよう(職業病かもしれない(笑)
今回のグラフは得票数についてのグラフでした。
もしこの上のグラフが、お店のある1日の商品の販売数(売れた商品の数)、
下のグラフが、お店のある1日の来客数、だとしたらどうでしょう?
「オレンジの商品が売れ筋だ」だけでいいでしょうか?
来店客の40%近くが、買わずに帰っていく?
売れ筋の商品は3つしか無い(3つもある?)
「グラフ」というものは見やすい反面、グッと入ってしまうことも多いです。
グラフに限らず、数字が表している事実を見極める力をつけたいものです。
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