経営分析指標と言われるものはたくさんあります。
私も見ること「は」ありますが、見るだけです。
実際あまり役に立ってはいませんし。
労働分配率とは?
労働分配率という経営指標があります。
ウィキペディアによれば、
労働分配率(ろうどうぶんぱいりつ)とは、経済学用語の一つで、企業において生産された付加価値全体のうちの、どれだけが労働者に還元されているかを示す割合。これは「人件費/付加価値」で算出された%で表す。
となっています。
ごくざっくり言えば、粗利(売上総利益)に占める人件費の割合のことをいいます。
「率」ですから%で表されます。
労働分配率の値は通常40~60%程度だと言われています。
この割合が高過ぎる企業は労働効率が悪いんだそうです。
労働分配率が表しているもの
2つの会社を例に考えてみましょう。
便宜上、付加価値は売上総利益、人件費は給料とします。
A社:付加価値1億円、人件費4000万円
B社:付加価値1億円、人件費7000万円
すると労働分配率は、
A社:40%
B社:70% となります。
労働分配率から見ると、A社はOK、B社はNGとなります。
会計人やコンサルタントと言われる人たちの中には、標準的な指標があるとそれを引き合いに話をします。
「労働分配率が高いですね。せめて50%以下になるように・・」
そしてそれを聞いた社長は、それに近づけようとしてしまうこともあります。
もちろん、労働分配率だけで経営判断をすることはないでしょう。
しかし、これ以外にもある多くの指標は決算書などから持ってきた数字から計算しています。
「労働分配率は良くないですが、◯◯比率が良いので、大丈夫でしょう」
決算書は確かに数値情報がありますが、この数値に表れない情報があります。
MQ会計にある重要な情報とは?
決算書は確かに数値情報がありますが、決算書に表示されない情報がMQ会計にはあります。
それは、「数(量)」の情報です。
私が学び研究しているMQ会計には、数量のうちいちばん大事な販売数量Qの情報があります。
また、マトリックス会計表では販売数量Q以外の情報も表します。
Qに代表される会社の数(量)情報を見ることで、Qの意識を持つことで、他の事項についても数(量)情報を気にするようになります。
そうすると、労働分配率の話が出ても「従業員数」という数量情報に意識が向きます。
仮にA社の従業員(正社員)が20人、B社の従業員が5人ならこの「付加価値」「人件費」というものの見え方がまったく変わってきます。
A社は20人で1億円の付加価値、B社は5人で1億円の付加価値となります。
A社は20人で4000万円の人件費、B社は5人で7000万円の人件費となります。
そうすると「労働分配率という指標のもつ意味はなんだろう?」ということになるわけです。
決算書から見える情報はごく僅かです。
しかも決算書は社長のためには作られていません。
決算書や経営指標だけに惑わされないようにしましょう。
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【編集後記】
昨日は1日オフ。
スポーツクラブでヨガレッスンを受けてきました。
自分の体の硬さに、あらためて驚愕したのでした(笑)