バージニア・リー・バートン作の『ちいさいおうち』
素朴ですが深い絵本です。
本のあらすじは
お話は、昔、丘の上に建てられた小さな家。
回りがどんどん開発され、変わっていく中、忘れ去られていく家。
やがて、建てた人の孫の孫の孫がこの家に気づき、その家をもとあったような丘の上に移築し、また静かな暮らしに戻るというお話。
日本のバブル期を思わせる流れがあります。
この本自体は、今から80年近く前に書かれた本ですから、日本のバブルとは縁がありません。
でも、かつてはオランダでチューリップ・バブルがあったように、歴史は繰り返されています。
読み返して印象に残った部分
小さい頃読んだ記憶がありますが、最近この本を読んでみました。
大きなビルや都会の喧騒に囲まれて、ひっそりと建っている家。
ペンキがはげ、すっかりみすぼらしくなっています。
しかし、孫の孫の孫が、この小さな家を移築することを決めます。
曳家をするわけですが、そのときの大工さんの言葉がとても印象に残りました。
「これはしっかりした家だ。これなら、どこへでも持っていけます。」
何十年たった家でも、造りがしっかりしていれば、曳家にも耐えうるのです。
変化に対応する部分と、根幹として持つべき部分と
外部の環境に応じて変化させるべき部分は、木で例えるなら、表皮や葉っぱ、枝などです。
一方その根幹、まさに字のとおりですが、しっかりした根を張り、丈夫な幹があれば、外部環境が変化してもやっていけます。
最近、会計事務所向けのセールスなどでは、こんな言葉が踊ります。
・属人化した業務から脱却し、業務フロー、プロセスの定義を明確化しましょう!
・IT、AI、RPAの導入で、業務効率をあげ、生産性を向上させましょう!
・製造部門の強化を図り、年商1億円を目指しましょう!
大規模化を図るなら、このへんは重要なのかもしれません。
でも、私は会計事務所の中を製造部門と呼ぶことに、すごく違和感があります。
中のスタッフさんは機械扱い、パンチャー(入力マシン)です。
この代替マシンとしてRPA化を、と暗に言っています。
この言い方は好きにはなれません。
私はこれとは真逆です。属人、しかも究極の属人です。
もちろん、IT等のスキルを使って効率化はしています。
しかも属人であることは、諸刃の刃だということも、承知しています。
ただ、この仕事もクールなように見えても、やはり人間臭い部分があります。
そこは忘れないように、血の通った仕事を続けていきたいと思います。
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