近年この時期、東京でも雪が降ることが多いです。
先日、ある会計の記事を見ていたら、こんな内容のものがありました。
雪国の工場の前では、従業員がスコップを持って雪かきをしていました。
この人件費や消耗品費は原価になるでしょうか。A.原価になる
B.原価にならない
その記事にあった答えは・・・
雪かきの費用は何費?
ところで雪かきの費用って、何費でしょう?
「雪かき費」という勘定科目は簿記ではありません。
毎年のように雪かきの費用がかかる場合、いくらぐらいなのかを比較、把握する意味で科目を作ってもいいでしょう。
雪かき費、いやちょっとかっこよく「除雪費」なんていう科目かな?
勝手に勘定科目を作って申告しても、税務署は別に怒りません。
勘定科目はこちらの都合で変えていいです
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原価か原価ではないか
利益を計算するときには、一般的に「収益ー費用」と計算します。
収益から引くもの、という意味では、原価は費用の一部と言えます。
会計では原価と費用が区別されます。
記事によると、こう区別されていました。
・原価は作り出された仕掛品・製品、あるいは売られた製品に対して集計されたものを言います。
・原価は製品の生産・販売という目的のために使われたものに限られる。
それ以外の財務活動などに使われた費用(支払利息、支払割引料など)は費用であっても原価ではない。
・原価は、正常な経営活動の上で使われたものやサービスに限られる。
で、冒頭の答えは、原価になる、でした。
ちょっと変な感じしませんか?
理由を見てみると、
・雪かきをしないと従業員は工場に入って来れませんし、出荷もできません。
間接的ではありますが、生産販売の目的で雪かきをしているので原価になります。
・場所は雪国ですから、冬には日常的に雪が降ります。
災害等ではないので、この雪かきは正常な経営活動の上で消費された費用であり、原価になります。
うーん、ちょっと無理があるような気がします。
雪かき費用が原価に含まれると
・雪の多い少ないで製品の原価が変わる?
・雪かき費用はその製品の価値を上げている?
こんな疑問が出てきます。
原材料費など、直接その製品を作るためにかかる費用は原価、は納得できると思います。
ところが、特に製造業、製造原価の話になると、とたんに切り分けが変わってきます。
直接・間接の区切りが、工場・本社みたいな「場所」の区切りになってしまいます。
工員さんだろうが、本社の事務員さんだろうが、人件費には変わりありません。
なのに、工員さんの人件費は製品の原価に振り分けられ、事務員さんの給与は期間での割り振りになります。
これってけっこう不思議だと思いませんか?
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