星新一さんといえば、ショート・ショートといわれる短編集で有名です。
ウィットに富んだ短編に、ファンも多いかと思います。
私もファンの1人で、ずいぶん読みました。
ショート・ショートはそれでおもしろいのですが、私はどちらかというとエッセイの方が好きです。
「進化した猿(1−3)」や、今回ご紹介する「きまぐれ博物誌(続を含む)」は、星さんのアタマの中が垣間見えます。
今回、ひょんなところから文庫本が出てきて、まぁ汚れてしまっていたのでKindleで買い直して、読んでみました。
文庫本で出たのは昭和51年。今から46年前。
これが書かれたのが昭和43年から45年頃。
今から約50年ほど前です。
当時からは、良くも悪くも、今の世界は未来の話。
未来にはこんなに良くなっているだろう、未来にはこんなことは解決されているだろう。
当時ワクワクしながら読んでいた自分も、今の自分は知っています。
また、当時星新一さんが描いた時代に自分はいて、未来から過去を覗いているような気持ちにもなります。
実現したもの、さらに先を行っているもの、逆に前よりひどくなっているものもある。
久しぶりに読んだ古い本ですが、なんとまあ新鮮でした。
今読んでも、十分に読み応えがあります。
当時から鋭い洞察力を持っておられた星新一さんに、改めて感服したのでした。
ーーー