私も独立して十余年、それなりに経験してきました。
独立するときに
今まで何人かの方から、独立にあたってのご相談をいただいたことがあります。
また、独立したての方からのご相談をいただいたこともあります。
その中でよくあるのが、
「勤務先のあったA市では、B先生の手前、開業しづらい」
「お世話になったし、恩があるので揉めたくない」
といった、勤務先の税理士に気を遣うお話。
税理士の場合、ほかにも諸事ありますが、独立には実務経験が必要です。
一般的には会社の経理部署で働いたり、会計事務所で職員として働きます。
そして、勤務先からその証明をもらって、独立するわけです。
会計事務所の所長もいろいろな方がいます。
言い方は柔らかくても、けっこう辛辣なことを言われた方も知っています。
「同じ支部では独立するなよ」
「うちの顧問先を持っていかないように、一筆書け」
この辺はまだ軽い方で、書きにくいものもあります。
「○#&¥・・・」
「△■#%・・・」
恩着せがましく。
そんなにその人を頼っていたのか。
そんなに自信がないのか、と思う方もいます。
恩を仇で返す?
独立する方からよく聞く言葉に、これがあります。
「恩を仇で返すようなことはしたくない」
独立する多くの方はそう思っています。
私が古臭い人間なのかもしれませんが、職員であるその方が独立したら、喜ばしいことだと思います。
むしろ応援して、切磋琢磨したいです。
もちろん背後から不意打ちを食らわすような、汚い手を使うようなヤツなら別です。
ただ、そんな輩はお客様から信頼されることはなく、いずれ自滅していきます。
サムライたれ
税理士は「士業(しぎょう・さむらいぎょう)」と言われます。
「士」がついているからです。
武士の「士」ですね。
自分の刀(力)で戦い、守る。
それが武士です。
受けた「恩」は自らの成長で返す。
後輩の成長は、いっしょに喜ぶ。
少なくとも「士業」と言われる仕事をするなら、そのくらいの矜持は持っていたいものです。
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