令和2(2020)年分の確定申告では、一時所得に注意しましょう(ふるさと納税、GoTo、持続化給付金)

令和2(2020)年はいろいろあった年でした。
まだ終わっていませんので、この先もなにかあるかもしれませんが。

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所得税の確定申告

所得税については、毎年1月1日〜12月31日までの所得について、必要に応じて確定申告をします。
令和2(2020)年分の場合、2021年2月16日〜3月15日までに行うのが原則となります。

今年はコロナの影響で、確定申告の現場でもいつもと違うことがあります。
例年なら確定申告をしなくていい方も、対象になる場合がありますので、注意しておきましょう。

一時所得

所得税はその所得の種類に応じて10の区分があります。
厳密には9+1、つまり9の所得区分と、そのいずれにも該当しない「雑所得(その他)」の区分です。

今回はもともとの9の区分に入っている「一時所得」のお話しです。

一時所得はざっくり言えば、たまたま得た、棚ぼた的な臨時収入による利益となります。
懸賞などの当たり、競馬の当たりなど。
ほかには保険の満期金をもらったり、最近ではふるさと納税の返礼品も一時所得の計算対象です。

ただ、これらをいちいち申告するのは大変なので、一定額以下は申告しなくていいよ、となっています。
具体的には、次の算式で計算した金額が、50万円なら、申告の必要はありません。

一時所得の金額 = 総収入金額 ー 収入を得るために支出した金額 ー 特別控除額(最大50万円)

つまり、収入からそのための支出を引いた金額が、50万円以下であれば申告の必要なし、ということになります。
一般的には保険金を除いて、「収入を得るために支出した金額」は、ほぼありません。

一時所得の代表格といえば、保険金の満期金です。
かけていた保険が満期になり、満期金を受け取った場合です。

保険金が満期になると、保険会社から計算書が送られてきます。
その計算書に基づいて、一時所得を計算し、所得が出れば申告が必要となります。

注意しなければならないのは、一時所得は他の一時所得とまとめて計算します。
保険金、ふるさと納税、懸賞の当たり、と別々に50万円が使えるわけではありません。
注意してくださいね。

令和2年(2020年)特有の事例

国税庁から来年の確定申告、つまり令和2年(2020年)分の確定申告に向けてのFAQが公表されています。
所得税関連でも、この一時所得についての記載があります。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kansensho/faq/pdf/faq.pdf

令和2年(2020年)特有の事例といえば、コロナ関連です。

具体的には、
・持続化給付金の支給を受けた(給与所得者の場合)
・GoTo トラベルの旅行代金やクーポンの給付を受けた
・GoTo Eatのポイントやクーポンを受けた

これらはいずれも一時所得の対象となります。
税金の対象となるということです。

持続化給付金については、個人事業主は事業所得となりますが、給与所得者は一時所得となります。
一方で、新型コロナの休業支援金、休業給付金、特別定額給付金(1人10万円のやつ)などは、非課税扱いとなっています。

一時所得の対象となるもの、ならないものをきちんと区別しましょう。

保険の満期の場合は、利益額(計算書をよく見ると書いてあります)、
ふるさと納税の返礼品については、寄附金額の30%、
GoToの場合は、割引やクーポンの金額になります。

なお、給付金等は、支給を受けた金額が収入金額であり、ほぼその金額が所得金額となります。

個々では少額なようであっても、全部足すと申告が必要になる場合もあります。
特に今年、保険の満期金などがあった場合は注意してください。

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