「源泉徴収票、見かたがよくわからない」と放っていませんか?
年収は上がらないのに、負担ばっかり・・?
この時期になると、税金の記事が増えてきます。
サラリーマンは黙って天引きされるだけ、そのうち半分以上が持っていかれる?
もしそうだとしたら、働く気も失せてきますよね・・。
ほんとうなんでしょうか?
給料から引かれているものは何?
給料から引かれているもの(税金類)は、社会保険料、所得税、住民税です。
・社会保険料は給与の額面に対して、一定率で。
・所得税は個人の状況などを考慮した所得に対して、累進税率で。
・住民税は個人の状況などを考慮した所得に対して、一定率で。
社会保険料の割合、
健康保険料は9.84%(40歳以上は11.64%)、厚生年金保険料は18.3%、合計すると28.14%(29.94%)となっています。
「えー、こんなに高いの?」と思うかもしれませんが、これは会社と合わせて負担する保険料を計算する率です。
ですので、給与から天引きされるのはこの半分、健康保険料は4.92%(5.82%)、年金保険料は9.15%、合計すると14.07%(14.97%)となります。
(協会けんぽ:東京都の場合)
所得税は5%〜45%、住民税は10%となります。
源泉徴収票から計算してみましょう
年末にもらう源泉徴収票。
ここから実際の割合を見てみましょう。
月給30万円(年間360万円)、都内の会社に務める41歳の田中一郎さん。
計算を簡単にするために、独身、生命保険などは一切加入無しとします。
渡された源泉徴収票は、こうなっていました。
(説明用に番号、記号を付けています)
①が給与収入(360万円)、②は社会保険料、③が所得税です。
住民税は書いてありません。
源泉徴収票は、所得税の書類だからです。
社会保険料は所得税の計算で使うので、書いてあります。
とりあえず割り算して、割合を計算してみましょう。
社会保険料は、②÷①=約15%
さきほど見た社会保険料の個人負担分(14.97%)と、ほぼいっしょです。
給与額面に対してかかっていることが、よくわかります。
所得税は、③÷①=約2%
なんでこんなに低い(少ない)のか?
それは、360万円にそのままかかっていないからです。
「個人の状況などを考慮した所得に対して」かかるからです。
具体的には、360万円から、計算上考慮されているサラリーマン経費を引きます。
引いた「あと」の金額は、244万円(A)です。
そして、ここから社会保険料と個人の事情(基礎控除額)を考慮した所得控除の合計額(B)を引きます。
A-B=1,421,000円(千円未満切り捨て)、ここに税率がかかります。
1,421,000円× 5.105%=72,500円(百円未満切り捨て)
と計算されているのです。
住民税も同様の方法で計算し、144,500円と計算されます。
そうすると、負担率はこんなふうになります。
田中一郎さんの場合、約21%となりました。
会社負担分の社会保険料は?
社会保険料は、従業員の給料に対して約3割。
これを会社と従業員が折半して負担しています。
負担率の話をすると、必ず「会社負担分は実質給料だ」という話がプロの方から出てきます。
その従業員がいなければ、会社負担分はないわけですから、なるほど、そういう考え方もできるでしょう。
では田中一郎さんに会社負担分も含めて、社会保険料を負担してもらいましょう。
するとこんな表になるのかな?
0が会社負担分を田中さんが実質給料として、受け取ったとした分を加算した金額(360万円+538,920円)。
田中さんの社会保険料負担は、倍になります。
この場合は31%の負担です。
けっこうきついですが、50%とまではなりません。
いや、高い?
いや、低い?
この種の議論は尽きませんが、自分はいくら給料をもらっていて、どんな負担があるのか。
それは源泉徴収票からも読み取ることができます。
まずは今度もらう源泉徴収票、よく見てみましょう。
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