年末調整アプリは、いちおう評価しますが・・・

アプリが公開されています

国税庁が年末調整のアプリ(ソフト)を公開しました。
年末調整も、電子化されていきます。

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決算書のつくり方
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なぜ社長は決算書に興味がないのか?
Kindle版

アプリには、PC版とスマホ版があります。
ダウンロードして使うことができます。

私はまだ使ってはいませんが、個人が従来「紙で」会社に出していた各種の申告書、保険料等の証明書、住宅ローン控除の証明書など。

これらをスマホ等で入力することで、紙の煩わしさをなくしましょう、というものです。
会社側も紙での扱いが減り、チェック等の業務が減り、効率化が図れるといわれています。

スマホ版のマニュアルがあったので、チラっと見てみました。

印象は、税法の用語が難しいのと、
130ページの書物(マニュアル)はどうかなぁと・・・

そもそも年末調整というものは

さて、そもそもの年末調整というものを考えてみます。
年末調整はサラリーマンの確定申告といわれています。

本来なら、国民は税務署で確定申告をするのが筋です。
でも、確定申告時期に税務署に人が押し寄せると、税務署がパンクしてしまいます。

そこで国は、日本にたくさんいるサラリーマンの確定申告を、年末調整という形に変えて、その事務手続きを会社に押し付けました。しかも無償で。

確かに、紙主体の事務作業であれば、税務署もパンクしてしまいます。
が、ここまで電子化が進められるのであれば、年末調整アプリではなくて、e-taxによる確定申告へ誘導すべきではないかと。

給与のデータも会社から取れるようにすれば、これらを合わせて、e-taxを通じて確定申告ができるわけです。
会社は源泉徴収事務(給与から天引きして、国に納める)だけを行えばいいので、ラクになります。

外国で電子申告が普及しているところは、年末調整ではなくて確定申告をしているわけですから。

現場はしばらく大変でしょう

現場レベルでは、年末調整の電子化の影響で、さらに煩雑になる部分もあるでしょう。
一気に電子化できればいいですが、紙と電子が並行してしまったら、たまりません。

最近は税制改正の影響で、年末調整がどんどん複雑になっていきます。
また、多様化も進んでいますし、個人情報の関係とかで会社と従業員とのやり取りも、微妙になっています。

アプリができたことは、いちおう評価します。
でも、年末調整そのものを無くす方向に、ぜひ視点を向けてほしいと思います。

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