年末調整も大詰め。
そんな中、毎年必ずこんなご質問をいただきます。
「去年は年末調整で ◯◯円戻ったんですけど、
なんで今年は△△円しか戻らないんですか?」
年末調整の計算のしくみは?
年末調整は、いわばサラリーマン(給与所得者)の確定申告です。
1年間の税金の精算をします。
毎月の給料から引かれている「源泉徴収税額」は仮引きです。
年間の給与を月給の15ヶ月分(毎月の月給×12+賞与は月給の3ヶ月分)として計算された税金(源泉所得税額)を、給料から引いています。
配偶者の有無や扶養親族の人数が正しく会社に連絡されていれば、毎月の給料から引かれる税金(源泉徴収税額)は正しく引かれているはずです。
なので、なんの控除もなければ、ほとんど差は出ません。
年末調整で戻るということは
生命保険料控除など、いくつかの控除は年末調整で行います。
控除は税金を少なくする効果があります。
一般的に何らかの生命保険に入っている方が多いので、年末調整で税金が戻るケースは多いです。
そのほか年末調整で「税金が戻る、去年より戻り額が増える」ケースとしては、
・年の後半で扶養親族が増えた
・今年、生命保険に加入した(増やした)
・今年、地震保険に加入した(増やした)
・年の後半で大幅に給料が減った
・給料から天引きされていない社会保険料(子どもの年金保険料など)を払った
・その年に転職や休職、または就職したため、1年まるまる働いていない
などが考えられます。
逆に「税金が戻らない(足らない)、去年より戻り額が減った」ケースとしては、
・去年が上記の状態で、今年はそういったことがなかった
・控除対象の配偶者や扶養親族に(実は)一定額以上の収入があった(超えてしまった)
→ そのため控除の対象から外れてしまった
・今年から年金をもらい始めたので、年金保険料を払わなくなった
などが考えられます。
精算の結果です
図で表すとこんな感じです。
だから、足らなければ当然、追加負担がでます。
年末調整で「税金が戻る」というのは、精算の結果でしかなく、
収入の多い少ないなどには、直接関係ありません。
還付額に一喜一憂しないで、源泉徴収票をよく見て、
・自分の年収はいくらなのか?
・社会保険料はいくら払っているのか?
・自分の今年の所得税はいくらなのか?
をきちんと読み取るようにしましょう。
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