令和7年1月から、収受日付印は廃止されます。
(この印は通信印と呼ばれるものです)
その日に出した、という証拠
税務署を始めとする役所に書類を出す場合、「その書類を確かに出した」証がほしいものがあります。
税務で言えば申告書や届出書類です。
申告書は提出期限が決まっており、1日でも遅れれば、加算税や延滞税などペナルティの対象となります。
なので、「その日(まで)に出した」という証拠が重要になります。
その証明手段として、提出書類(原本)と同時に控えを出し、その控えに受付印を押してもらうことで、その提出の事実と日付の証拠としているわけです。
郵送なら返信用封筒を入れて、控えを送り返してもらったり。
普通郵便じゃ不安だから、書留で送ったり。
併存するけど、事実上の強制
行政、特に税務署は電子化がドンドン進んでいます。
その一環として、令和7年1月から、提出された書類の控えに「収受日付印を押さない」ことになりました。
書類を提出する場合でも、「控えを持ってきても、何もしませんよ」ということです。
そうすると、その書類が出ているかいないかは、どうやって確認することができるのか?
その答えは、「自分で記録しておいてくれ」というものです。
さらに、税務署から証明的なものをもらいたい場合には、
・オンライン申請でなら、提供してあげるよ
・時間がかかるよ
・手数料がかかるよ
といった形でうーんとめんどうにし、
「e-taxならかんたんに控えも取得できるよ」を前面に押し出しました。
時間がかかるけど、やがてデフォルトに
・何でもデジタル化しやがって!
・パソコン持ってないんだけど!
・デジタル化できない弱者を切り捨てるのか!
といった声はあがるのでしょう。
どんなことでも、必ず反対する人はいます。
・ご飯はかまどで炊くものよ
・洗濯は洗濯板とたらいでやるものよ
・連絡はポケベルに決まってるでしょ
昔はこれも当たり前だったかもしれませんが、時の経過とともに、当たり前ではなくなりました。
結果は必ずでる
最近、「時が解決する(変えてしまう)」というのは、ある意味真理かな、なんて思うようになりました。
来年までに何とかしよう、10年以内にこうしよう。
そういうビジョンは必要ですが、現実問題としてその労力やコストを考えたら「放置する」のが実は正解、と言えるものもあります。
たとえば戸籍。
マイナンバーがあるのに、なんで戸籍を取らなきゃいけないんだ。
私もそう思っていた時期があります。
めんどうですし、昔の戸籍は達筆すぎて字は読めないし。
でもこれ、今のデジタル化された戸籍の人しかいない時代になれば、解決しちゃいます。
あと何年かかるかは分かりませんが、そう遠くない未来なのかな、と。
現状なにか問題が起これば、対症療法で処置。
時間が経てば、必ず解決できます。
確かにモノによっては、えらい時間がかかるものもありますが、そうやって折り合いがついているものも、少なくはないのです。
ーーー