個人には個人場号、法人には法人番号
個人には個人番号、つまりマイナンバーが付いています。
法人には法人番号が付いています。
行政の効率化、に資するはずですから、必要に応じてマイナンバーを提出することは構いません。
ただ、現状この番号制度においては、個人か法人かの分類しかありません。
個人事業者には番号はありません。
個人でやっているんだから、個人番号でいいのでは?
たしかにそれも一理あります。
最近でこそ、自宅事務所の方も増えているかと思いますが、自宅以外に事務所を構える方も少なくありません。
そうすると、めんどうなことになります。
マイナンバーと事務所住所は紐付きません
例えば税理士(個人)の場合、自宅でも、事務所を借りてでも業務を行うことができます。
ただし、両方を同時に業務場所として登録することはできません。
業務を行う上では、個人情報はもちろん、税務に関する業務を行うため、守秘義務が課せられます。
自宅を業務場所とする場合、例えば部屋を分けるなど、独立したスペースを求められます。
そこで私は自宅ではなく、事務所を借りて業務を行っています。
そうなると、税理士業務を行う場所は事務所所在地になりますので、対外的な住所は事務所住所になるわけです。
税理士証票(身分証)の住所も事務所住所になり、その住所の支部に登録されます。
そうすると、マイナンバーカードにある自宅の住所と、営業上の事務所住所は紐付かないわけです。
これは想定されていますので、税理士会のQ&Aにもこのようにあります。
Q-54 支払調書を作成する際の相手先住所が通知カードの住所と異なる場合、従来どおりの取扱いでよいか。
(回答)支払調書に記載する支払先住所は、住所若しくは居所又は本店若しくは主たる事務所の所在地とされており、個人を前提とした場合、「住所又は居所」を記載する。
しかしながら、事務所の所在地を契約書に記載している場合のように、事務所の所在地に おいて事業活動を行っている実態があり、その実態に即して支払調書を作成するのであれば、 支払調書に記載する支払先の住所は、当該事務所の所在地であっても差し支えない。
さらに確認方法として、住所の違う2つの書類の場合、氏名と生年月日の一致をもって同一とする運用もあるそうですが。
個人事業者にも法人番号を
先般、事務所を移転したときに、銀行の窓口でもこんなことがありました。
事務所名(屋号)の通帳があり、その住所は旧事務所の住所で登録していました。
そこに事務所があるわけですから、自然だと思います。
移転して住所が変わったので届け出ると、移転したことが分かる書類をほしいと。
「いや、事務所を引っ越しただけなので、何も公的には変わりませんが」
そう伝えると、しばらく待たされた上、自宅住所で登録してほしいとなりました。
でも、銀行に登録されている住所は事務所の住所です。
「それであっても、変更の事実が確認できる公的書類はありませんけど?」
「自宅に事務所名で書類を送られても、届かないかもしれませんよ」
銀行さんに他意があるわけではないですが、お互い困ってしまうという結果になるのです。
私だけでなく、「個人事業者にも法人番号を」という方はいらしゃいます。
それがあれば、スムーズにことが運ぶと思うんですけどね。
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