個人で商売をしている方は、確定申告で決算書(収支内訳書)を作ります。
青色申告の場合、こんな書式になっています。
白色申告も順番が少し違っていますが、科目名は同じです。
青色申告の方しか使えない項目(勘定科目)は、白色申告の方にはありません。
だいたい使う勘定科目は決まっている
特殊な商売をしている方を除けば、勘定科目はだいたい一定のものに落ち着きます。
なので、税務署で作成している決算書にも、いくつかの勘定科目はデフォルトで印刷されています。
このデフォルトの勘定科目を使って処理できれば、そのまま使っていいでしょう。
会計ソフトを使っていれば、ほぼこれに準じた勘定科目がセットされています。
もちろん、自社の都合に合わせて、勘定科目を追加、変更しても構いません。
<過去記事>
・勘定科目はこちらの都合で変えていいです
https://www.tt-tax.net/kanjoukamoku
・勘定科目は自分にわかりやすく(会計ソフトを上手に使おう)
https://www.tt-tax.net/kanjoukamoku-me
個人事業で注意する勘定科目は
デフォルトの勘定科目は、おそらく字面でどんな項目が入るかは分かると思います。
また、あまり頻度の多くない項目(科目)は、類似科目に含めても構いません。
宅配便をほとんど使わない方なら、宅配便代は「荷造運賃」ではなく「通信費」に含めてもいいでしょう。
項目があるからといって、その科目を必ず使わなくても構いません。
個人事業の場合、勘定科目で注意しなければならないものがいくつかあります。
租税公課
税金類を書くのですが、ご自身の所得税、住民税はここには書きません。
住民税はそれ自体確定申告書には記載しませんし、所得税は予定納税や源泉所得税がある場合に、申告書本体に書きます。
また、「税」の字がついていますが、国民健康保険税もここには書きません。
国民健康保険税も申告書本体に書きます。(事業の経費ではなく、所得控除という形で所得税の計算に取り込みます)
損害保険料
ここに書くのは、商売で車を使っている場合の任意保険や、商売で使っている倉庫の火災保険といった類になります。
自宅の火災保険や地震保険はここではなく、やはり申告書本体で控除します。
貸倒金
耳慣れない言葉ですが、わかりやすく言えば、取りっぱぐれた売上代金です。
売先が代金回収前に潰れちゃったとか、そういう場合のその代金を書きます。
まず書くことはないと思いますが。
税務署は、実は貸倒金にはとても厳しいんです。
「そう簡単に売上金を諦めるのか?」というスタンスです。
何度も催促したり、電話、内容証明を送ったりしないと認めてくれません。
「集金が漏れてて今さら集金できないなー、もう無理だな〜」
なんて理由でここに取れない金額を書くと、税務署から電話がかかってきますよ。
気まぐれで決めない
税務署はこの書式で、コンピュータに入れて申告状況を把握しています。
追加で勘定科目を増やし、空欄に「○○費」と書いてあると、それを入れたり雑費にしたりしているようです。
コンピュータに入れているのは、検算と内容の確認です。
業種ごとの標準値のようなものは持っていますので、それと比較をしているようです。
また、年ごとの比較もしています。
全体的な動きが滑らかでない場合、より細かくチェックされ、税務調査対象になることがあります。
そこはある程度考えておいたほうがいいです。目立たないように・・・
おまけ
これはプロの方もたまに間違えている方がいます。
利子割引料の内訳を書く欄があります。
借入をしている方が、その内容を書く欄です。
た・だ・し、( )書きにもあるように、金融機関を「除く」とあります。
銀行から借り入れている場合は、ここには書く必要はありません。
金融機関「以外」、知り合いや個人でお金を貸しているような方から借りていて、利息を払っているような場合だけですので、お間違えの無いように・・
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【編集後記】
確定申告のご依頼、資料が増えてきました。
例年、3月7日前後にほぼ終わらせていますが、今年はアプローチを早めにしていますので、もう少し早くできるかなー??