会計が成り立つ上で、必要な基礎的条件のことを会計公準といいます。
この公準の中に、貨幣評価の公準というものがあります。
字だけ見るとえらく難しそうですが、簡単です。
会計は貨幣額、つまりお金で表しなさい。というものです。
日本であれば、貸借対照表など財務諸表は円(えん)で表されます。
極めて合理的、当たり前ですね。
ところが、この当たり前のことが、経営者と銀行や会計人との乖離を生み出します。
例えば、冒頭の貸借対照表の一部。
商品には900万円という金額が入っています。
この会社の経営者「ではない」あなたは、この金額を見てどう思いますか?
すみません、質問を変えます。
この会社の経営者「ではない」あなたは、
この金額を見て営業所の状況が思い浮かびますか?
あなたがこの会社の経営者なら、この900万円の意味はすぐわかるでしょう。
営業所の状態も、すぐに思い浮かぶでしょう。
単価が100円、200円のものを扱っていれば、営業所には商品がいっぱい。
高額な商品を扱っていれば「1個しかない・・」ということかもしれません。
確かに、会社の在庫を「kg」や「本」・「台」などで貸借対照表に表すことは、現実的ではありません。
でも、貸借対照表に載っている「在庫金額」のなかには「数量」が必ず関係しています。
決算書の「数字だけ」で、ものをしゃべってはいけないのです。