個人よりも会社の方が経費にしやすい、はホント?

この人は個人事業主かな?

■ ■ 発売中 ■ ■
決算書のつくり方
kindle版 

なぜ社長は決算書に興味がないのか?
Kindle版

必要経費

個人でも会社(法人)でも、事業をするときにはいろいろな経費がかかります。
・給料を払ったり、社会保険料を払ったり、
・事務用品を買ったり、備品を買ったり、
・家賃を払ったり、リース料を払ったり、
・車のガソリン代や維持費を払ったり・・・

事業をする上でかかる費用は、原則としてすべて経費になります。

「原則として」と書いたのは、払う=全額経費でない「ズレ」が生じたりするものや、税法の決まりで、税金の計算上経費にならないもの(制限があるもの)もあるからです。

世の中的な経費のイメージは、「払った全額=その時の経費」という認識が強いので。

個人は経費にしにくい?

「個人事業だと、経費にしにくいんだよね」という方や、
「個人事業よりも、法人化した方が経費にしやすいです」という専門家の方、
いらっしゃいます。

ただ、それは誤解です。

経費になるかならないかの判断は、個人・法人で差はほとんどありません。

「ほとんど」と書いたのは、先ほどと一緒で、税法の決まりて差があるものがあるからです。

個人の経費が経費にしにくい、というのは、その区分がやりづらいからではないからでしょうか。

例えば電気代。

個人が自宅で事業をしています。
その場合、メータを分けない限り、電気代の請求書はひとつです。
家全体の電気代の請求書がきます。

ただ、自宅ですから家族もいますし、生活もしています。
その分も全部まとめて請求です。

なので、税法では「全体から、事業の部分を抜き出して」としています。
その「抜き出し」がムツカシイのです。
それを「経費にしにくい」と思っているのかもしれません。

会社だったら、会社の事業所の電気代は100%経費です。
そこは事業所で、人も住んでいない(はずですが)ので、分ける(抜き出す)必要がないからです。

法人の方が経費にしやすい?

「な〜んだ、やっぱり会社の方が経費にしやすいんですね」

そう思うのも、これまた誤解です。

会社は原則として事業を行います。
営利(儲けること)を目的として作られたものです。

なので、個人と違っていわゆる「生活部分」みたいなものはありません。
100%事業なので、そのための経費は100%経費。
=経費にしやすい、と思っているのかもしれません。

でも、事業用に使っていないものは会社が払っていても、経費になりません。

会社を作って自宅で仕事をしている方の電気代。
この場合も、会社契約だから100%経費ではなくて、個人とは逆に、全体から個人の(生活用の)部分は除かなければなりません。

また、例えば車の費用。

車の経費(自動車税、車検代、駐車場、ガソリン代、高速代、減価償却費・・)は、「会社が事業で車を使っていれば」、経費になります。
(車って経費がかかりますね・・)

たとえば私も会社を持っていますが、その会社で車を買ったとします。
でも、商品を運ぶでもない、営業に来るまで行くでもない、移動は電車、なんて状態だったとします。

そうしたら、たとえ会社名義の車であっても、減価償却費を含めて、1円も経費にはなりません。

会社だから経費になる、のではないのです。

ここは勘違いすると、ミソ◯◯一緒になってしまって、なんだか分からなくなります。

気をつけましょう。

ーーー