(前回とも、写真はpixabayさんから)
前回、変動費?でタクシーの変動費に疑問を持ったAさんのお話を書きました。
いわゆる一般的な会計の解説書に載っている「変動費」は、「売上高に比例して増減するもの」と定義されています。
では、タクシーで売上高に比例する変動費って何でしょう?
1、ガソリン代?
2、乗務員の給料?
3、カードやsuicaなど、現金以外で払った時の手数料?
4、高速代?
こんな感じでしょうか?
そして空車と実車であん分するんでしょうか?
これで原価計算なんかをしたら、わけがわからなくなります。
余談ですが利益を上げるため?にカードやsuicaの手数料を乗務員に負担させているところもあるとか?
その会社は多分ガチガチの原価計算をしているでしょう。
やることが違うと思います。
MQ会計ではこう考えます
MQ会計は数量Qに注目します。
タクシーの場合はお客さんの数ですね。
お客さんの数に比例するものは・・・?
ありませんね。
4、しいて言うなら3も、でしょうか?
ですが、すべてのお客さんがカード等を使い、高速に乗るわけではありませんので、比例しません。だからMQ会計ではやはり変動費(※)はゼロです。
※説明上「変動費」としていますが、MQ会計では一般的な会計で言う「変動費」という概念はありません。
ガソリン代は空車、実車にかかわらずかかりますし、あん分することはほぼ不可能(可能かもしれませんが、猛烈な手間がかかります)です。それをする意味はないと思います。
だから変動費ではありません。
MQ会計で考えるなら、タクシーは「レンタルスペース」と考えることができます。
空車でも実車でも、かかるコストはいっしょ。
だから平均的な1日のコストを計算しておき、これを上回る「実車状態」(実車率ではないですよ)をできるだけ多くして、コストを超える売上が稼げるかを考えればよいのです。
そう考えると、私の知ってる個人タクシーの運転手さん。
夜に営業をして、一定額を売り上げると帰ってしまう。
難しい原価計算を知らなくても、ちゃんと利益のポイントを知っています。