地球儀を上から見るのが好きです。
いわゆる普通の地図(メルカトル図法)ばかり見ていると、思考が固定化してきます。
先日来、進化論について本を読んでいます。
その中にこんな記述がありました。
ドイツのマイヤーは「個体同士が繁殖でき、その結果できた子どもも繁殖可能でその後も存続していける個体集団が種である」と一応の定義をしました。
脊椎動物のなかに、セグロカモメというカモメがいます。
このカモメは「輪状種」と呼ばれ、北極のまわりを一周するように分布しています。
セグロカモメの仲間は生息している地域によって様々な亜種に分類されています。このカモメ、イギリスやスカンジナビア半島近くに生息するカモメは、その西のアイスランドやグリーンランドのカモメと繁殖可能です。アイスランドやグリーンランドのカモメは、そのさらに西の北アメリカに生息するカモメと繁殖が可能です。
そしてさらに西へ、西へと繁殖可能なのですが、輪が繋がった最後、つまり最初のカモメと最後のカモメ(東どなりのカモメ同士)は繁殖ができないのです。
(100分de名著 「種の起源」長谷川眞理子著より)
同じカモメの仲間なのに、どこかでつながりが切れてしまう。
どこかでちょっとずつズレていくと、最後にはまったく別のものになってしまう。
まるで伝言ゲームのようですね。
元は同じなのに、種にこだわっていると、別の種となってしまう。
元は同じなのに、別の種だからと排除してしまったり。
日本にもカモメがたくさん飛んでいます。
亜種や変種であっても、元に思いを馳せながら、多様性を含めて進化して行かなければいけませんね。