上場株式を贈与するなら

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上がったり、下がったり

株価が下がって、ため息ばかりが出てしまいます・・
私はいったん、手仕舞いました。
次のタイミングを図ります。

新型肺炎の関係で、世界は混乱しています。
株価も影響を受けています。

2万4千円近くあった日経平均は、1万6千円近くまで下がりました。
金額で8千円、実に1/3が吹き飛んだ形です。

慌てて売ってしまうと、損をかぶってしまうことになります。
売らなければ損得は顕在化しませんから、そのまま持っていて、いずれ上がるのを待つという手もあります。

もしあなたが上場株を持っていて、これをいずれは子や孫に・・とお考えなら、贈与するという選択肢を考えてみましょう。

株の贈与はどうやってする?

昔は「株券」という紙切れがありましたが、今、上場株式は紙切れではありません。
2009年1月から実施された株券電子化に伴い、証券保管振替機構(ほふり)により、株券と株主は電子管理が行われています。

なので、「この株券やるよ」「もらった、ありがとう」というわけにはいきません。
この株をあげる、もらいます、という旨の贈与契約書を作ります。

そして、証券会社の窓口に問い合わせをして、口座移管の手続き方法を確認し、手続きをしましょう。

上場株式の贈与で、贈与税は?

値動きのある株の価格。
贈与(契約)をしたときは、その日の株価を使うのでしょうか?

贈与する株式が上場株式の場合、その評価額は、次の4つの中から最も低い金額で計算します。
 
 ① 贈与する日の終値
 ② 贈与する日が属する月の毎日の終値の平均額
 ③ 贈与する日が属する月の前月の毎日の終値の平均額
 ④ 贈与する日が属する月の前々月の毎日の終値の月平均額

ごく簡単に言えば、①その日、②その月の平均、③前月の平均、④前々月の平均で一番低い金額です。

たとえばグラフにある、日経平均と全く同じ値動きをする株が、1000株あったとします。

今日の株価(①)は19,084.97円です。
明日もう1日あるので正確ではありませんが、今月(3月)の3/30までの平均株価(②)は18,976.85円です。
前月(2月)の平均株価(③)は23,180.37円、前々月(1月)の平均株価(④)は23,642.92円となります。

一番低い金額は、18,976.85円となるでしょう。
1000株だと18,976,850円、これを贈与すると643.8万円の贈与税です。

今年のはじめ、1/6の株価は23,204.86円でした。
これまでは株価に大きな変動はありませんでしたから、仮にこの23,204.86円を使うと、
1000株だと23,204,860円、これを贈与すると855.2万円の贈与税です。

贈与税は210万円ほど差が出ます。

これから先、4月、5月の株価はどうなるかわかりません。
ただ、5月末までなら3、4、5月の株価を使いますので、状況によっては贈与のタイミングかもしれません。

株価の下落は嘆かわしいですが、贈与のタイミングが来たと考えてみてはいかがでしょうか。

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【編集後記】
いろいろな手続の関係で、「電話」を使わなければならず。
電話のところに限って、アナログな対応のところが多く、ちょっと辟易としています。