源泉所得税の納付金額を、e-taxで間違えて送信・納付してしまったとき

誰でも間違えることはあります。
間違えたら、速やかに直します。

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e-tax(電子申告・申請)を間違えたら

鉛筆で書いたものを間違えたら、消しゴムで消せばいいです。
e-taxの場合は電子なので、基本的に送信したら取り消せません。

申告の場合、申告期限までなら再度出し直すことができます。
申告については後から出されたものが有効となり、先に出したものは無効となります。

でも、先に出したものも税務署にはありますから、税務署の方は見ると思います。
特に税金が減るような場合は・・

申請の場合、出したものは原則として取り消せません。
特に消費税の届出など、税額に影響の出るものは無理です。

税額に影響が出ず、税務署長の承認が必要でないものであれば、書面で「取り下げ」がほぼ可能です。
昔は電話でできたケースもありましたが、今はほぼ書面によります。

承認申請のものは、承認前なら取り下げ、承認された後は「(承認の)取りやめ書」を出します。
ただし、承認〜取りやめまでの間は、その承認の効力は生じていますから、注意が必要です。

源泉所得税の場合(申請手続き→納付)

「申請」の区分に入るのですが、源泉所得税の納付書は、間違えるとちょっと厄介です。

源泉所得税の納付手続きをe-taxで行う場合、e-taxソフトなどを使って手続きします。
納付書の画面に必要事項を打ち込み、送信します。

送信手続きをすると、その場で納付することができます。
あるいは、Pay-easy(ペイジー)などで払うことができます。

納付金額は送信した「申請」内容に紐付いていますから、申請を間違えてしまうと納付金額も間違えることになります。

では、間違えてしまったときは、どうしたらいいでしょうか?

間違いの内容と、支払ったかどうかで対応が変わります

間違いは次のように分類されると思います。

申請を送信したけれど、まだ納付していない場合は、比較的簡単です。
この場合は正しいものを再送信し、それと紐付いている金額を納付します。

間違えて送信したものは取り消しできないので、結果としてそのまま放っておきます。
(2ヶ月の有効期限を過ぎると無効になります)

納付額がない、いわゆる「ゼロ納付」の場合はどうするか?

普段の給料等でゼロ納付が発生するのは、給料に対して源泉所得税が発生しない場合です。
その場合は大きな影響はありませんが、後から正しいものを送信しましょう。

年末調整の時のゼロ納付は、しっかり処理しましょう。
年末調整のときにゼロ納付が発生するのは、納める税額<還付金額 の場合です。

これを訂正するのは、年末調整(による還付)額が変わってしまった場合です。
摘要欄に「控除未済額 ○○○円」とか、「繰越控除額 ○○○円」と書いていると思いますが、その金額が変わるわけです。
その時の納税額には差がありません(ゼロのまま)が、その後の納付に影響してきます。 

この場合も、後から正しいものを送信すればよいでしょう。
と同時に、その後の納付書の作成を間違えないようにしましょう。

この場合、税務署から問い合わせがあるかもしれませんが、年末調整での修正である旨を伝えればよいでしょう。

多く払ってしまったら

間違った金額を、すでに納付してしまった場合はちょっと面倒です。

給料・賞与についての源泉所得税の場合は、2通りの方法に分かれます。

この先、給料・賞与についての源泉所得税の納付がある

この場合は、税務署に届け出をして、間違えた後に納付する税金に充ててもらいます。
届出をして、後日払う分から引きます。

・源泉所得税及び復興特別所得税の誤納額の充当届出
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_23.htm

源泉所得税の納付が(しばらく)ない場合

この場合も、税務署に届け出をして、間違えた税金を返してもらいます。

・源泉所得税及び復興特別所得税の誤納額の還付請求
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_22.htm

いずれにしても、多く払うと手続きは面倒です・・・

足らない場合には

本来納める金額に足らない場合は、追加で納めます。
その場合、納付書にはこんなふうに記載します。
追加分のみの金額で、納付書を作ります。

<例>
・当初の納付書
人員:6人、支給額:300万円、税額:25万円 として申請、納付した

・正しくは、
人員:7人、支給額:350万円、税額:29万円 だった場合
差を書きます。

・税額の記入を間違えた
正しくは、
人員:6人、支給額:300万円、税額:29万円 だった場合
こちらも差を書きます。

差がないところは「ゼロ」を入力します。
「空欄」だとエラーになることがあります。

どちらの場合も、納付書の左下、納税義務者欄の下の摘要欄に、不足の旨を書きます。

・○月○日(納付日、送信日)不足分
・○年○月分の不足分

といった文言を書きましょう。
これで送信して、差額を納付します。

間違えないように注意は必要ですが、間違えても落ち着いて直しましょう。

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【編集後記】
インフルエンザ流行の兆しがあります。
うがい手洗い、マスク、食事、休養。
基本的なことですが、気をつけましょう。