残念すぎるeLtax・・・(暗証番号の再発行)

電子申告をするときには、IDとパスワードが必要になります。
忘れたり失くしたりしてしまうと、暗証番号の再発行手続きをしなければなりません。

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国税の場合は、こちら「暗証番号を忘れてしまったら(e-tax)」に書きました。

具体的には、再発行手続きをすると、会社宛に再ログイン用の仮パスワードが郵送されてきます。
そしてそれをもとに、暗証番号を設定し直します。
地方税の場合も同じように行います。

地方税(eLTAX)での再発行手続き

eLtaxのHPから、暗証番号再発行の画面に行って、手続きをします。

国税のように、郵送で暗証番号の再発行がされるわけではありません。
メールで再設定用のURLが送られてくるそうです。
ということは・・・?

eLtaxは税理士が変わるとめんどうです

税理士が変更になることは少なからずあります。
そうすると、新たな税理士が電子申告を行いますので、IDとパスワードが必要になります。
でもこれらの情報は前の税理士が持っていて、その情報を渡してくれないこともあります。

e-taxの場合は、ID(利用者識別番号)がわかれば手続きができます。
利用者識別番号は過去の申告書控えから見たり、納付書にも印字されていますので、納付書の控えなどからも知ることができます。

ところがeLtaxはそうは行きません。
eLtaxの注意書きには何と、こんなふうに書いてあります。

・申請が受け付けられると、「eLTAX-暗証番号再発行のご案内」メールが送付されます。
送付されたメールに記載されている「暗証番号再発行ページのURL」から、再発行された暗証番号をご確認いただけます。

・eLtaxに登録しているe-mailアドレスが不明な場合、またはご使用になれない場合、暗証番号再発行申請をご利用できません。その場合には、「利用届出を行う」ページから利用届出(新規)を行い、利用者IDを取得し直してください。

暗証番号変更の手続きのための情報は、登録しているメールアドレスに届きます。
前の先生がアドレスを登録していなければ、ログインしてメールアドレスを設定しなければなりません。
でも、暗証番号が分からなければログインできませんから、メールアドレスの設定すらできません。

もし、前の税理士がアドレスを登録していたとすれば、前の税理士のアドレスに変更用のURL情報が届きます。
ただ、前の税理士が協力してくれる可能性はかなり低いです。
つまり、後任の税理士は新たにその会社のeLtax登録をしなければならないのです。

「そんなの、しかたないんじゃない?」

eLTAXの再登録はデメリットです

そうコトは簡単ではありません。
新たにその会社のeLtaxを登録するということは、IDの取り直しということになります。
そうすると今までのものはリセットされます。

今までの届出や申告状況がわからなくなります。
どんな内容の申告だったのか?どんな届出が出ていたか?わかりません。
会社にとっては不利益なのです。

これはeLtaxの不備としか言いようがありません。
何とかしてもらいたいものです。
電子申告義務化になるならなおさらです。

法人税、電子申告義務化へ?

IDとパスワードは会社に

なお、会社の自衛策としては、電子申告をしているのなら、速やかに会社のe-tax、eLtaxのIDとパスワードを税理士からもらっておきましょう。
これらは会社のものですからね。

そして税理士の皆さん。
仮に顧問契約が切られても、こういう引き継ぎ的なことはきちんとしましょうね。