キャッシュフロー計算書という書類があります。
これも貸借対照表や損益計算書と同じ、報告書です。
大企業では作成が義務づけられていますが、中小企業では作成が義務付けられていないため、あまり馴染みがないかもしれません。
機関投資家が企業評価や事業評価に使うための書類の一つです。
こんな書類です。
キャッシュフロー計算書はその名の通り、お金の流れを表す書類です。
今日の商売、現金だけの商売はまれで、掛売りなど信用取引が多くあります。
その結果、利益とお金の残高がずれます。
「利益は1000万円っていうけど、そんなお金、手元にないよ」
社長のこんな悩みを解決するため、キャッシュフロー計算書が作られる・・・
のならよかったんですが、キャッシュフロー計算書も外部報告書の一つです。
社長が見やすいものにはなっていません。
キャッシュフロー計算書は、3つの区分、2つの作り方
営業キャッシュフロー、投資キャッシュフロー、財務キャッシュフローという区分です。
一番上に当期の利益がきます。
その利益にいろいろなズレ項目を足し引きして、当期末の現金等の残高との関係を表します。
作成のしかたは2通りあります。
直接法と間接法です。
直接法はその名のとおり、現金が入ったもの、出たものをそれぞれ集計して表します。
間接法は、期首と期末の差額から、簡便的に集計する方法です。
直接的なお金の出入りを集計したほうが、わかりやすいです。
ただ、そうはいっても日々の営業での現金の出入りを追うのは大変だ、
ということで、一般的なキャッシュフロー計算書は、営業キャッシュフローは間接法、それ以外は直接法により作成されます。2つの方法が混在しています。
お金の流れは、経営者が一番知りたい情報です。
が、営業キャッシュフロー計算に間接法が使われるため、現行のキャッシュフロー計算書という報告書は、経営者にとってとてもわかりにくい書類になっているのです。