「帳簿の現金残高は1万円になっているのに、現金は6,397円しかない・・」
経理部がないような個人事業主や小規模な会社では、こんな事が起こることもあります。
現金勘定とは?
「現金勘定」、わかりやすく言えば現金出納帳のことです。
前残(繰越残高)、入金額、出金額、残高を記録します。
入出金を正しく記録していれば、残高は合うはずです。
現金が帳簿と合わない理由
・入金額を金庫に入れたのに、帳簿に書いていない
・出金額を金庫から出したのに、帳簿に書いていない
・入金の記録を書いたのに、お金を金庫に入れ忘れた
・出金の記録を書いたのに、お金を出し忘れた
・実際には1000円受け取ったのに、100円受け取りと書いてしまった
・実際には890円支払ったのに、980円支払いと書いてしまった。
・実際には500円受け取ったのに、500円支払いと書いてしまった
・実際には800円の支払いなのに、800円受け取ったと書いてしまった
・計算(足し引き)を間違えた
たぶんこれくらいかと。
簿記のお勉強の名残りか、現金は金庫(手提げ金庫含む)に保管です。
なんか大げさ感ありますね。
合わなければ確認しなければなりませんが、件数が多いと凹みます。
どうしたら「現金が合わない」を解消できるか
「現金が合わないのは、現金(勘定)があるから〜」
チコちゃんなら、こう一蹴してしまいそうです。
例えば会社の銀行口座から、5万円をおろしてきて、それを金庫にしまいます。
そして入金だ、出金だを繰り返していると、現金が合わないケースが出てきてしまいます。
会社に現金がなければ、現金過不足は生じません。
現金出納帳(勘定)もなくなりますから、その手間も省けます。
金庫も買わなくて済みます。
具体的には、
・会社に現金を置くのをやめる
・今まで現金で支払っていたものは、振込払い、口座振替、クレジットカード払い、プリペイドカード払いなどにする
・どうしても現金で払わなければならないものは、立て替えて払ってもらい、月1回、あとで精算する
とします。
お客様にもこの方法をお伝えして、実践されているところは多いです。
支払いは振込(給与と一緒にも一法です)によります。
「立て替えて払ってもらうと言っても、それでは従業員さんに悪い」
確かに、それはありますね。
でもこれも一工夫で解決できます。
それは入社時に一定額をまず渡しておきます。
例えば、3万円とかを入社時に渡します。
会社では「仮払金」として処理しておきます。
あとは(そのお金をもとに)立て替え払いしてもらい、精算してもらいます。
経理や簿記を知っている方なら、定額資金前渡法(インプレストシステム)のようなものです。
簿記は漢字だらけなのに、いきなり横文字が出てきて衝撃でした。(笑)
ただ、「のようなもの」です。同じではありません。
簿記の定額資金前渡法は、毎月仕訳をします。
精算のつど、仮払金を使った仕訳です。
これをすると大変なので、仮払金を使った仕訳はしません。
仮払金はずっと残しておきます。
仮払金を精算するのは、その従業員さんが退職されたとき。
退職時の給与等から忘れずに引いて、精算してください。
プリペイドカードを使うときの注意点
交通系カードなどを使うと、いろいろなところで使えるし、小銭を持たないのでラクです。
このときよくあるのが、精算が面倒だから、チャージの領収証で代用してしまう方がいます。
理由は「使うのは電車・バスなどが多く、領収証が出ないものが多いから」
でもこれはアウトです。
チャージの領収証のみを経費にしていると、給与として所得税、住民税、社会保険料の対象になります。
役員の場合、賞与になるとさらに法人税等の対象にもなります。
プリペイドカードは、いろいろな支払いに使えます。
事業に関係ないものも、含まれる可能性があります。
事業用として使った分だけ、きちんと精算してください。
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【編集後記】
昨日、髪の毛を切ろうと思い予約の電話をすると、担当の方が連休中。
まとまらない髪は、しばしそのままです・・