「値決めは経営」
稲盛和夫氏の言葉として、有名です。
値段は誰が決める?
値段は誰が決めるか?ということを考えてみます。
値段は、売り手と買い手の接点です。
売り手が納得しても、買い手が納得しなければ、取引は成立しません。
買い手が納得しても、売り手が納得しなければ、やはり取引は成立しません。
立場的には買い手が優位と思われます。
多くの経営者は競合に負けないように、値段を下げようとします。
値段が1円でも安いほうが、買い手が喜ぶと思うからです。
値段はどう決まる?
製品なり、商品なり、サービスを提供します。
まっとうな商売をしているのであれば、おのずとその値段は適正な金額に落ち着くと思います。
そして「相場的」なものが形成されます。
ただ、そこには競合の存在があります。
値段を下げて競合に勝つのは、簡単です。
ただ、そうやって下方向の価格競争が始まると、相場が崩れていきます。
また、その商品なりサービスの価値も下がっていきます。
特に形のないサービスの価格は、あいまいになりがちです。
だからといって、売り手が買い手におもねる必要はないと思います。
サービスは同じではないし、サービスはタダではない
以前に比べて、サービスに対する価値は認識されるようになりました。
ですが、サービスほど同じようで違うものはありません。
先日、ある依頼を受け、金額を提示しました。
私の提供できる価値として、90分で45,000円(消費税別)です。
そこで返ってきた言葉は、「専門家のサービスは、1時間1万円ぐらいではないのですか?」
たしかに、そのくらいの提示をする方は多いです。
ただ、その方の感覚は業種や事例ではなく、「専門家のサービスは」というくくりでした。
サービスに対しての価値の感じ方は、それを受ける人によって差があります。
同じような事例で、その金額を満足してお支払いいただく方は、少なからずいらっしゃいます。
私は自分が提供できる価値として、適正だと思い金額を提示しています。
結果として、その依頼はお受けしないことになりました。
値段を下げて仕事を取る、という選択肢もあったでしょう。
ただ、それをしてしまうと、満足してお支払いいただいている方を裏切ることになります。
自分自身のモチベーションも下がります。
さらに、「専門家のサービスはこのくらい(の金額)」として、全体的な価値が下がることを助長したくもありません。
「値決めは経営」
真剣に考え抜いて付けた値段なら、自身を持って臨むことは大切だと思います。
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【編集後記】
東北方面に出張しています。
台風後、ぐっと冷えてきて、着るものなどの調整が大変です。
風邪を引かないように、暖かくして寝ます。