最近、こちらの記事を多くの方にお読みいただいています。
注意しておきましょう(2019年、10連休の資金繰り)
https://www.tt-tax.net/201904-05-10
資金繰り以外にも注意しなければいけないことが出てきました。
それは、税務上「支払った」が要件になっている経費です。
3月決算の会社の決算賞与
利益が出ている会社で、俗に言う決算賞与を支給する場合があります。
その要件は、国税庁のHPにこうあります。
イ その支給額を、各人別に、かつ、同時期に支給を受ける全ての使用人に対して通知をしていること
ロ イの通知をした金額を通知した全ての使用人に対しその通知をした日の属する事業年度終了の日の翌日から1か月以内に支払っていること。
ハ その支給額につきイの通知をした日の属する事業年度において損金経理をしていること。
ロをもう一度見てください。
「その通知をした日の属する事業年度終了の日の翌日から1か月以内に支払っていること」
つまり、3月決算の場合、4月1日から1ヶ月以内に「支払っていること」が条件になります。
ということは2019年に限っては、4月26日(金)までに「支払わなければ」、決算で経費になりません。
年払いの生命保険料など
もしあなたの会社が4月決算で、会社契約の年払いの生命保険料を、口座振替で払っている場合には注意が必要です。
年払保険料は法人税では「短期前払費用」という取り扱いになります。
前払費用(一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出した費用のうち当該事業年度終了の時においてまだ提供を受けていない役務に対応するものをいう。以下2-2-14において同じ。)の額は、当該事業年度の損金の額に算入されないのであるが、法人が、前払費用の額でその支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るものを支払った場合において、その支払った額に相当する金額を継続してその支払った日の属する事業年度の損金の額に算入しているときは、これを認める。
ここにも「支払った場合において」「その支払った日の属する事業年度の損金の額に算入しているときは、これを認める」とあります。
つまり、4月決算の会社の場合、「4月末までに払って」「その期に経費処理していれば」経費にしていいよ、ということなのです。
なので年払保険料を振込で行っている会社は、4月26日までに支払うこと、口座振替の場合で振替日が27日から月末までの場合には保険会社に連絡して、今年は口座振替ではなく振込にしてもらうこと、が必要になります。
手続きが間に合わないと、4月中に振替(つまり支払い)がされません。
また振り込みにできたとしても口座振替がが止められず、一時的とは言え保険料を二重に払うことも起こりえます。
資金繰りにも影響します。
税務署は特に何も言っていませんので、規定通りで判断されることになると思っていたほうがいいです。
該当する会社は、直ちに保険会社に連絡しましょう。
倒産防止共済の前納掛金
倒産防止共済の掛金の預金口座振替日は、毎月27日(休業日の場合は翌営業日)です。
2019年4月27日は土曜日(休業日)のため、振替は5月7日(火)となります。
倒産防止共済の掛金は、初回加入時は振り込みまたは口座振替による支払いとなりますが、2回目(2年目)以降の掛金は口座引落しかできません。
月払いの場合は大きく影響しませんが、新規加入者が「前納」という制度を使って翌年1年分をその期の一時の経費としたい場合、今年は注意が必要です。
特に4月の新規加入で、振込により支払う場合です。
まず書類の締切日が「毎月末の5営業日前」となっています。
2019年4月はこの日が4月22日です。そして振込は4月26日まで。
書類に不備がないことが前提ですから、あまり間際にならないように、早めに動きましょう。
また気づいたことがあったら、記事にしたいと思います。
いずれにしても、4月になってからでは手遅れになるものもあります。
今から確認して、準備をしておきましょう。
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