ことばで正確に伝える技術

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この用紙もわかりにくい

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こそあどを使わない

「こそあど」言葉というものがあります。
これ、それ、あれ、どれ、という、ものを指す言葉です。

「指示語」なんて言います。
相手と、面と向かって話しているときは、使っても特に支障はありません。

でも、相手と面と向かっていないとき、つまり同じもの(画面)を見ていないときは、こそあど言葉だと相手に正確に伝わりません。

電話での会話や、用紙の説明などのときです。

言い方がよくないと、伝達ができません。

目を閉じて、イメージができるか

たとえば確定申告の用紙。
この用紙に給与の収入金額を書いてもらいたい。

その場合には、
「用紙の左側、収入金額等として、タテにカタカナでアからサの欄があります」
「給与は、上から4つ目、エの欄に書きます」

というと、ほぼ狙ったところに記入がされると思います。
いかに相手の目を上手に動かすか、で誘導の精度が上がります。

順番も大事で、順番を誤ると、目がアチコチ行ってしまって、迷子になります。

あとは同じ音のものとか、似たような音のもので違うもの、「2とニ」とか、「エとA」といったものの場合には、「数字の2」とか、「カタカナのニ」というように伝えると、伝わりやすくなります。

相手を正確に導く

先日、あるインストラクションをしました。
久しぶりだったので、少し慎重にやりました。

用紙の場所を示すとき、「ほら、ここに書くんだよ」
指を指して、教えてはいけない。
そう指導されています。

「用紙の左側、収入金額等として、タテにカタカナでアからサの欄があります」
「給与は、上から4つ目、エの欄に書きます」

というように、淡々と、それでも正確に伝えること。

もし相手の手が止まったら、質問を待ち、ヒントをを与えながら、考えてもらう。
答えをすぐに教えてはいけません。
慣れている人ほど教えたがりで、得意げに、すぐに教えてしまいます。

「魚を与えるのは簡単ですが、釣り方をマスターしてもらう」

ここに徹してインストは、伝えていかねば。

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