急ハンドルを切ると、スリップします
グイグイデジタル化
行政はデジタル化をグイグイ押し進めています。
申告、申請、届け出などの手続きは、ドンドンデジタル化されています。
トータルで考えれば、デジタル化のメリットは大きいです。
ですが、あまりグイグイ、強引にハンドルを切ると、スリップ事故を起こします。
特に「やれー」みたいに掛け声だけかけて、
「後は現場よろしく!」
「ちゃんとやっていないところは、言ってくれれば指導します」
とかいうやり方は、ちょっといかがなものかと思います。
特に私が関わる税務関係は、役所側の効率化推進のような形ばかり。
それを税理士や会社の総務経理に、押し付けてくる感じが否めません。
しかもそれで効率化されたら、ほんとうに国会議員は半分に、行政はスリム化されるのか?
これまたまったく、見えてもきません。
給与支払報告事務
さて本題に戻って、年末調整事務の一つに「給与支払報告」があります。
まず流れとして、
年末調整(これもやめてほしい)が終わると、従業員の2023年分の源泉徴収票が発行できるようになります。
従業員には必ず渡さなければなりませんが、と同時にこの源泉徴収票は、住民税等の計算のもとになります。
なので、これを各市区町村へ提出します。
そうすると、各市区町村ではこれらの資料に基づき従業員の住民税を計算し、今年の5月頃、特別徴収税額を会社と従業員に通知してきます。
(この特別徴収も、年がズレるのも、やめてほしい)
今回(2024年度)から、この「通知」手続きが少し変わります。
そしてそれは、今月末までに提出する書類によって、変わるのです。
・総務省のパンフの一部
総括表の提出時はちょっと注意
今月末までが期限の給与支払報告書(総括表)の提出は、ちょっと注意が必要です。
チェックのしかたによっては、こちら側(会社や会計事務所)に事務作業を押し付けられます。
具体的にどう変わるのか?というと、
◯市区町村から会社(事業者と従業員分)への通知方法は、
今まで
・事業者への通知書類は ー 紙で(データでも受け取り可)
・従業員への通知書類は ー 紙で
★今回(2024年度)から
・事業者への通知書類は ー 紙かデータかのいずれかのみ(選択制)
・従業員への通知書類は ー 紙かデータかのいずれかのみ(選択制)
(注)事業者と従業員の方法は、同じでなくても構いません
◯事業者から従業員への通知方法は、
今まで:紙で
★今回(2024年度)から
・事業者が通知を紙でもらったら ー 紙で
・事業者が通知をデータでもらったら ー データで
従業員の中にデータで受け取れない人がいる場合は、従業員に確認の上、事業者が「印刷して紙で」
となります。
この「従業員への通知方法」を「データでもらう」に、うかつにチェックすると、手間が増えます。
「データでもらう」にチェックをしていいのは、「ほとんどの従業員に」「電子的な提供ができる体制」が整っている場合だけです。
そうしないと、電子的な提供ができない従業員に対しては、
・本人の同意を得て通知書のパスワードを取得する
・パスワード付ZIPファイルを復号のうえ、PDFファイルを印刷する
・印刷した通知書が第三者に閲覧されないよう適切に封入・封緘するなど
というような、めんどうな作業が増えてしまいます。
会社への通知(住民税を、誰からいくら引けばいいのか)は、電子データでもらって、給与ソフトなどへ取り込んでいくのが、効率的でしょう。
でも「それなら従業員分も電子データで」、としてしまうと、上記のような手間が増えてしまう可能性が高いです。
中小企業では、デジタル化がおぼつかないところが、まだあります。
注意しておきましょう。
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