つくづく伝え方はむつかしいと思います。
どちらで表されているか?
数字で表現するとき「率」か「額」かでも、印象はけっこう変わります。
「7%の賃上げをします!」
「減税額は2万円(仮)です!」
金額で「2万円」と言われれば、すぐ頭に諭吉さんの顔が浮かびます。
一方、率で「7%」と言われても、「ええと・・、いくら?」
頭の中で金額に直す時間が必要になります。
なので、より効果的に伝えたいときは「額」で伝えたほうがいいと思います。
昨日今日のトップの伝え方も、そんなところに差を感じます。
「3%前後が平均のところ、7%も? すげぇ」
「たった2万円(仮)かよ、しかも1年だけ?」
金額に直したらいくら?
率で表されている場合、必ず金額に直して考える必要があります。
特に決算書分析とやらで使われているものには、要注意です。
「労働分配率が高いです。50%以下になるようにしましょう」
「原価率は30%が業界の標準ですよ」
そういう指標とやらがあると、それに引っぱられやすくなります。
労働分配率とは「粗利に占める人件費の割合」だそうです。
では当社の粗利はいくら?
当社の人件費はいくら?
2つの数字が必要になります。
「平均」という数字も注意が必要なのですが、
仮にこの2つの数字を従業員数で割ってみると、ごく単純な平均額が出ます。
うちの会社、平均給与額が300万円なの?
それでも労働分配率が50%を超えてるの?
これは労働分配率の上げ下げ、以前の問題があるかもしれません。
取引は「額」で行われます
給与は円(¥)で支払われます。
%ではないです。
利益も「額(¥)」です。
給与は、粗利額の中から支払われます。
粗利額が増えれば、給与が増やせるかもしれません。
経営者は常に「額」、つまり「¥」でものを考えています(はずです)。
労働分配率が50%を超えてるから、給料下げるだって?
コンサルタントや税理士に言われたからって、それを鵜呑みにしている社長は少ないと思いますが、率で話してくる専門家らしき人には、ご注意くださいね。
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