益税というもの
消費税にインボイス制度が導入されることもあり、消費税についてもいろいろな意見を目にします。
その中の1つに、「益税」という事象があります。
消費税は消費者から預かった消費税が、最終的に全額国に入るものです。
ですが消費税制の都合上、その一部が事業者の手元に残ってしまうことがあります。
税金が結果的に会社の利益になるため「益税」といいます。
免税事業者や簡易課税制度を適用している事業者、おもに小規模の事業者に発生します。
決算書の利益項目として「益税 100万円」なんて載るわけではなく、利益の中に混ざっています。
なので、益税そのものは、認識しづらいです。
インボイス制度の導入で免税事業者が不利益?
益税は35年前の消費税導入時からありました。
消費税を導入するために、時の政府はこの益税部分に目をつむりました。
その後、何回かの改正を経て縮小し、今回の改正にこぎつけたわけです。
簡易課税事業者の益税分は無理ですが、免税事業者の益税は解消することができそうです。
個人的には、良いことだと思っています。
益税は、利益です
先日、益税についてこんな意見を見ました。
免税事業者が消費税を納めず手元に残る「益税」との指摘があるが、売上高からスタッフへの給与の支払いや自分の生活費などを引くと、お金はほとんど残らず、益税とは言えない
この意見はプロの方のご意見なのですが、ちょっとビックリしました。
「免税事業者の方が、今回の改正で(結果的に)納税になったら、やっていけない」
なのでインボイス制度反対!
そういう趣旨だと思いますが、ちょっと違うような気がします。
では、消費税を払わなくていいように、いっそ消費税の廃止も提案したらどうでしょう?
もし現在の免税事業者が、今まで売上分で消費税を100万円受け取り、仕入分で消費税40万円を払い、60万円が益税となっていたら、消費税を廃止してもこの60万円は消えてなくなります。
免税事業者は・・・、支払いができずに、やはりやっていけなくなりますよね。
なんか変ですよね?
本来は消費税として納めるべきものだった税金(益税)が、利益の中に潜り込んでいたのがそもそもの間違いだったわけです。
お金に色は付いていませんから、混ざっていたら支払いに使いますよね。
一番は政治の責任ですが、こういう部分の是正は必要だと思います。
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