大切なのは、MQ会計を使って想像・シミュレーションすること


MQ会計は、まさにこの写真だと私は思います。

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MとかQとか使えばMQ会計なのではありません

先日、MQ会計的な内容で書かれている会計の本を見つけました。
著者の方はMQ会計のことをご存知のようで、MQ会計のような解説をされていました。
図解も多く、分かりやすそうな(?)本です。

しかし、ざっと読んでみると、内容はMQ会計とはほど遠い内容のものでした。
確かに用語はMQ会計のようにVとかQとか使っていますが、管理会計というか、変動費だ限界利益だとか、ごちゃごちゃになっているものでした。

こういう本や、こういう情報を鵜呑みにした会計人が間違った解説をして、MQ会計が誤解されることはとても不本意です。

損益分岐点は何人?

この本でこんな例題がありました。

「この床屋さんの損益分岐点の人数は何人か?」

・1ヶ月の営業日数は25日。
・毎月定額で発生する支払いは、家賃15万、従業員給料50万、減価償却費5万円、各種基本料金などの定額払5万円
・理髪料金3300円
・1人分の原材料費・水道光熱費300円

この問題では、こう解説されています。
・固定費(F)が月75万円(1日あたり3万円:75万円÷25日)
・1人売り上げるごとの変動費(Vと思われます)は300円
よって、1人売り上げるごとの貢献利益単価(Mと思われます)は、3,000円(3,300円ー300円)

つまり、3万円÷3,000円で1日あたり10人が損益分岐点の人数
と解説されていました。

どう思いますか?

こんな考え方は、MQ会計ではありません

いかにも、会計人的感覚での例題と回答です。
こんな解説をしたり顔で「これがMQ会計です」なんてされたら、たまったものではありません。

シャンプー代、タオル代、パーマなどのときに使う薬品など、お客さんごとに使うものではあります。

でも、お客さんごとにシャンプーを1瓶使うわけでもなく、タオルだってカットの人は1枚、パーマの人は2枚と決まっているわけでもないでしょう。
水道だって1人あたり○リットルなんて、量りようがありません。

状況に応じて必要な量を使っているはずですから。

そう考えると、床屋さんの場合はP=Mであり、経費はすべてFと考えていいでしょう。
そうすると、FをMで割った数がQ、つまり最低限の客数になるわけです。

Fもわざわざ日割りにする必要はなく、
「1営業日ごとに、いくらMQが積み上がったか?」
「今月のFを超えるためには、あとどれだけMQを稼ぎ出せばいいのか?」
に注目すればいいわけです。

P=Mなら、スタッフの方にもわかりやすく、積み上げ感が体感できます。
ふつうの感覚でとらえていけると思います。

MQ会計の視点を知って、それをツールとして利益を出していく。
その感覚が大切だと思うのです。

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