先日こんな記事が出ていました。
企業の税・保険料、書類不要に 起業も後押し
2018/7/3 6:57 [有料会員限定] 政府は2021年度を目標に企業による税・社会保険料関連の書類の作成や提出を不要にする検討に入った。源泉徴収に必要な税務書類など従業員に関連する書類が対象。企業は給与情報などをクラウドにあげ、行政側がそのデータにアクセスし、手続きを進める形に変える。官民双方の事務負担を減らして生産性を高め、スタートアップ企業の創業も後押しする。・・・
(日経電子版より)
業務効率化
役所の書類はもちろん、紙で書類を作成するのは大変です。
しかも同じ内容なのに役所ごとに書式が違っていたり、似たような書類を作成させられたり。
今回の記事によれば、例えば従業員の給与情報などを一定のクラウドに上げておけば、そこに役所がアクセスして必要な情報を取るようなイメージのようです。
そうすることにより、
・作成する手間
・提出する手間
・保存する手間、場所
などが不要になりそうです。
紙を減らすだけではなく
イメージしてみると、従業員の氏名や住所、生年月日や給料の情報が上がっていれば、
・源泉徴収票
・給与支払報告書
・雇用保険や社会保険の得喪関係書類
・労働保険申告
・算定基礎届出
・賞与支払届 ・・・
なんて書類を作成、提出する必要がなくなるかもしれません。
いや、なくしてもらわなければ困ります。
電子化の話をするときにいつも思うのが、紙を電子化・デジタル化することが目的ではないということです。
そうしないと保存場所が、倉庫からストレージに変わっただけになってしまいます。
10の役所(部署)で使う10の似た書類を電子化するのではなく、10の役所で使う書類を一元化して1つの書類にしてしまう。
本当にその書類がいるのか?を常に吟味して、作らなくてもいい書類、やらなくてもいい手続き(業務)を無くすことから考えるべきです。
無駄をなくした先に
電子化の先進国エストニア。
ここでは「税理士がいなくなった」と言われています。
でも、実際税理士はいます。
しかも電子化を推進しているのが、当の税理士なんだそうです。
電子政府の基盤が整備されたので、いわゆる個人の確定申告業務は税理士がやる必要なし。
法人向けにの税務申告等についても、現在会計士・税理士が主導し自動化が推進されており、(決算申告「作業」を行う)税理士はいらなくなる日も遠くありません。
その根底にあるのは、人がやらなくてもいいような「作業」から開放され、より付加価値の高い仕事に集中していくように「税理士たちが」しているのです。
「効率化して、同じ8時間働いてもラクだし、それで同じ給料がもらえるってことは給料アップと同じだよね、いいよね~」
何ていう人はいないと思いますけど、何のために効率化するのか。
効率化の先に何を求めるのかをしっかり持っていないといけませんね。
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【編集後記】
蒸し暑くてまいります。
暑さは多少耐えられますが、湿気はちょっとねー