この時期、
「これは個人事業の経費になりますか?」
「知り合いからこれを経費にしてもOKだよと聞いたんですが・・」
こんなお話が多くなります。
個人「事業」の経費ですから、事業に関連して、事業のために使うことが大前提です。
(これについては、個人事業主の経費とはで書きました)
今回は「事業で使う」ということについて書きたいと思います。
わかりやすくするために、会社を例に取ります。
例えば、経理業務のために会社でパソコンを買ったとします。
会社の備品ですから、置き場所は会社になります。
会社によっては備品台帳に記入され、パソコンの裏側に「経理部備品No.001」なんてシールが貼られたりします。一般的には社内で使い、持ち出しされません。
そして経理業務に使われるわけです。
会社の備品、って感じですよね。
これが「事業で使う、事業用」という感覚です。
個人事業でも同じなのです。
最近よくあるのが、「仕事のために使うスーツや靴、カバンはOKですよね?」
というご質問。
もちろん、仕事のため「だけ」に使うのであれば、OKです。
いわゆるTVなどで使う「ステージ衣裳」は経費になります。
この衣裳は備品として管理されて、一般的に仕事以外では外に持ち出しません。
個人事業でも、事業用のスーツや靴・カバンなら、備品として私物とは別に管理する必要があるんです。
「知り合いが今まで普段着を仕事着として経費で処理しても、何も問題なかったって聞きましたが・・」
いや、それは問題がなかったのではありません。
今まで税務調査がなかったかもしれません。
税務調査はあったけど、たまたま指摘されなかっただけかもしれません。
例えていうなら、「制限速度50kmの一般道を53kmで走行していたけど、たまたま今まで捕まっていなかった」ということに過ぎないのです。
問題がなかったのではありません。
「そんな固いこと言わなくても・・」
それは分からなくもないです。
が、「では56kmは?」「59kmは?」、「60kmぐらいまでは大丈夫だよ・・」となります。
そして雰囲気で、なんの根拠もなく都市伝説化していくわけです。
税務は税法という法律に則っています。
ですから突き詰めていけば、法律に合致しているか否か、しかないのです。