ハンコをパソコンの中に入れることではなくて

商品紹介のメールで電子印鑑のものがありました。

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決算書のつくり方
kindle版 

なぜ社長は決算書に興味がないのか?
Kindle版

<デジタル印鑑作成ソフト>
認印、会社印などの6種類のデジタル印鑑を作成できます。
作成した印鑑はPDFやWord、Excelなどでも使えます。

< どんなソフト >
形を選び、文字を入力するだけで簡単にデジタル印鑑を作成できるソフト。
押印した時のかすれを表現できるなど、こだわった印鑑にすることも可能です。
作成した印鑑は画像で保存でき、PDFやWord、Excelなどでも使えます。

< こんな方におすすめ >
 ・ テレワークが増え、押印に困っている方
 ・ 電子データに直接押印したい方
 ・ ペーパーレス、電子化を進めたい方

< 特長 >
 ・ 最短2ステップでカンタンに作成できる
 ・ 作れる印鑑は6種類
  (認印・三文判、データネーム印、角印など)
 ・ 印鑑に合ったフォント10書体を搭載
 ・ 印鑑のかすれや、文字設定、インクの色も変更できる

需要は結構あるのかもしれません。
いわゆる大きな企業などでは、ハンコ押しまくりでしたでしょうし。

いろいろな機能がついていて、その視点では面白い製品だと思います。
かすれ機能は、ちょっと意味わかりません。

もちろん、私はこの会社に何の恨みもありません。

ゴールはなにか?

「手段」と「目的」を間違えるな、と言われます。
あることを成し遂げる(目的)ために、どういう方法(手段)が良いか。
それを考えているはずなのに、いつの間にか目的を見失ってしまうことがあります。

印鑑の問題も、
テレワークを導入したのに、総務部や経理部の人は、契約書や請求書に印鑑を押しにだけ、出社しなければならない。

「なんで?」

からスタートしたわけです。

なぜ印鑑が必要なの?となり、
印鑑を廃止しよう → 印鑑に変わる認証手段を普及させよう と進んでいきました。

「印鑑に変わる認証手段を普及させよう」は「印鑑を押したものが絶対」からの脱却、ここが幹だと思うのです。

この商品は「手段」の商品

冒頭のソフトは、「手でハンコを押す」ことの代替手段のためのものです。

今まで、「請求書を印刷して、ハンコを押して、封筒に入れて発送」していた業務。
これを、請求書をExcelなどで作って、ハンコを押して、メールで送信する。

その過程での「(手作業の)ハンコ押し」をデジタル化したわけです。

ただ、デジタル化とは言っても、いわゆる印影をExcel、Word、PDFに載せるものです。
印鑑を「押す作業」は無くせますが、根本的な解決にはならないでしょう。

こちらに行かなければ

最終的なかたちは、会社が作った請求書などの文書に、「この書面は間違いなく当社が作ったものです」といった認証を付けることなのでしょう。
電子署名のようなものですね。

そしてそれをオンラインでやり取りできる仕組みを作れば、目的は達せられるわけです。

電子署名の技術はまだ一般的ではない?
いや、e-taxではもうできているわけですから、そう難しくないと思います。

それよりは「重役や社長が納得しない、理解できない」
こちらの方が、大きくてめんどくさいボトルネックなのかもしれません・・・

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