入力は苦手です。
手入力
資料を見ながら伝票を作成し、その伝票を見て元帳に転記し、その元帳を集計して貸借対照表、損益計算書を作成する。
簿記一巡の手続きと言われ、会計やら経理やらの業務に携わる人なら知っている、代表的な「作業」です。
最近、この「作業」を手でやっている方は、少なくなっていると思います。
会計ソフトを使えば、「転記」という「作業」100%、ソフトが自動的にやってくれます。
便利な世の中になりました。(30年くらい前からの話)
入力をしたものは、そのまま正確に転記されます。
100を正しく100と入力すれば100と転記されるし、100を200と間違えて入力しても、入力したとおり、200と「間違ったまま」正確に転記されます。
どんなに注意して入力作業をしても、一定の割合でミスは起こりえます。
入力しない
その昔、伝票を手書きしていた時代に、T○Cという会社では複写式の伝票を発明していました。
確か3枚複写の伝票で、その伝票に仕訳を記入します。
1枚は振替伝票、1枚は借方の元帳の一部となり、もう1枚は貸方の元帳の一部になる。
それらを綴りこむと、総勘定元帳が自動的にできあがる、そんなシロモノでした。
「転記をしない」ことによって、転記ミスをなくそうとしたわけです。
これはこれで画期的でしたが、難点は綴りが広辞苑のように分厚くなること。
すごい厚さになっていました。
入力ミスを減らす、なくすには、入力しないに限ります。
入力しなければ、入力ミスは起こしようがありません。
そこで、今では銀行やクレジットカードの明細を「取り込む」という方式があります。
これはとても画期的で、少しずつ浸透しているようです。
ここでの問題は、取り込む元。
銀行ごとにフォーマットが少しずつ違っています。
また、データ形式が違うこともあります。
以前、こんな記事も書いています。
『データのようで、データにならないジレンマ』
こういう部分は、業界なり行政なりが主導して、フォーマットを揃えてほしいところです。
(こういうのがたぶん、DXを加速させるんでしょうね)
やはり最初と最後は人間が絡む
途中の「作業」はほぼ100%、省力化できると思います。
ただ、最初と最後は人間が絡みます。
たとえば、会社のカードで私用のまんじゅうを買ってしまっても、その記録はそのまま取り込まれ、転記されます。
自動仕訳処理もされ、帳簿には「福利厚生費 まんじゅう 216円」というように、忠実に記帳されます。
そして、経理が自動仕訳に頼り切って、そのまま進んでしまうと、私物が経費計上された損益計算書ができてしまいます。
・私物を会社のカードで買ってしまった という最初と、
・自動処理に頼ってチェックがおろそかになった という最後
その2点だけは、今のところ人間が絡まないといけません。
逆に言えば、この2箇所はしっかり関わるべきで、それ以外は端折っていいと思います。
まぁそのうち、会社のカードで私用のまんじゅうを買おうとすると、アラームが鳴るかも知れませんね。
マイナンバーカード
健康保険証とマイナンバーカードを一体化させる手続きが、延期になりました。
入力ミスが見つかり、運用に支障があるとのことです。
マイナンバーは(たぶん?)データ管理されていると思います。
保険証の情報がデータで管理されているかいないか、私は分かりません。
ただ、どちらも有用なデータ化されていたのなら、これはマッチング「作業」です。
入力ミスは起こりえません。
入力ミスということは、データで管理されていなかったのでしょうね。
まさか、データになっているものを紙に出力して、人が入力しているなんてことは・・・
本格運用前にストップがかかったということは、最後の確認は機能していたと思うので、そこは評価されるべきと思います。
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【編集後記】
おみやげに、「カエルまんじゅう」をいただきました。
タイトルにまんじゅうが出てくるのは、そのせいかも?(笑)
ありがとうございます。