いろいろな職種で、技術・技能を後世に残すためには、伝承していくことが必要です。
例えば日本の建築を支える宮大工さんの技術。
「この本に書いてあるから、読んどいて」で伝わるわけはありません。
先輩のやり方を見て、直接手ほどきを受け、一定の時間をかけて習得していくわけです。
見習い、下積み、徒弟制度。
かつては当たり前とされていたものも、今のご時世、ブラックなイメージになってしまいます。
いわゆる手仕事といいますか、人の持つ技術については、やはり直接の手ほどきが必要だと思います。
何でもかんでも機械に置き換えることは、難しいと思います。
人間を始めとする生き物がメカニカルなものでない以上、常に変化し続けるものを数値化(固定化)すること自体、ムリだからです。
調理のしかたや、果物などの選果のしかたなど、AIを使って数値化しようとする試みもあります。
これはこれで「AIの技術向上」にはよいと思いますが。
さて、会計事務所、税理士。
税理士の登録にあたっては、ペーパー試験の合格のほかに、2年以上の実務経験が必須とされています。
実務経験は、車の路上教習のようなものでしょう。
税理士の登録にあたっての実務経験は、ペーパー試験の前でも後でも最中でもOKです。
そこで、働きながら資格を取るというスタイルがあります。
少なくない方が、この方法を取られます。私もそうでしたし。
ここで、会計事務所あるあるで、所長先生の勘違いが起こることがあります。
「まだ独立するのは早いんじゃないか」
「もう少し、経験を積んだほうがいいぞ」
「独立したって、食っていけんぞ」
資格を取ったということは、「独立して業務をやってもいいよ」というお墨付きをもらったわけです。
もちろん、独立するしないも、本人次第です。
独立して食っていけるかいけないかも本人の努力次第で、それ以外にはありません。
少なくとも、所長先生の判断は必要ありません。
必要最低限の礼儀を尽くせば、いつでもいいわけです。
少なくとも、無用な下積みの労力・時間は、独立後に、自分のために使いましょう。
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