厚みというもの


ある日の総武線、水道橋駅のホーム。

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3次元を2次元へ

電車のホームって、端から端まで、100m200m※ぐらいでしょうか。
奥行きがあります。

※お友達からご指摘があり、「電車だけで200mだよ〜」と。
ありがとうございます m(_ _)m

特に焦点を定めずに1枚の写真に収めると、こんなふうに写ります。
パンフォーカス撮影といいます。

3次元のものを2次元上に置き換えています。
立体を平面に表しているわけです。

写真講座ではないので細かくは触れませんが、この写真もレンズの焦点距離や絞り値などの特性を利用しています。
そして、被写体のほぼ全部を写し込んでいるわけです。

品川駅や商店街の込み具合が、ちょっと意図的じゃない?と言われたことがありました。
線路の間の鉄柱は、等間隔で設置されていますが、写真では奥行きは狭く、つぶれて表れます。

本来は間隔が空いているのに詰まって見える。

2次元で表すための技法ですが、見方によっては、意図的な表現とも言えるのかもしれません。

人間の目はどう見えているか

この写真を見て、違和感を感じる方は少ないと思います。
自分の目で見ても、同じように見えるはずです。
それを写真にとって、こういう光景だったと納得できるわけです。

ただ、ほんとうにこのように見えるのか?
パチリと写真に撮った瞬間に、ほんとうにこう見えているのか?

人間の目で見たこの光景も、実は人間の脳のなかで合成処理されています。

近くのものを見るときと、遠くのものを見るときは目のレンズの厚みは違います。
同時に近くのものと、奥のものを見ることはできません。

連続した写真を組み合わせて、手前から奥までの光景を1枚の写真のようにしています。
映画の一瞬が、何枚ものカットで作られているように。

焦点を合わせずに見れば、たぶん現実には何も見えていない。
どこかにフォーカスすることで、看板だったり枕木だったりがしっかり認識できます。

決算書は2次元情報でしかない

決算書は、この写真のようなものです。
パッと見れば、「駅だな」ぐらいの感覚でしょうか。

ホームを注意深く見れば、人がいるのかどうかがわかりますし、
線路を見れば、電車があるのかないのか、などフォーカス次第でいろいろな情報を取ることはできます。

ただ、この光景が正常なのか、異常なのかの判断は難しいでしょう。

線路に電車はありませんし、ホームに人はいません。
通常であれば、ここに電車が入ってきて、止まって、人が乗り降りして、そして電車が発車していった。
そんな流れがあるはずです。

(実際は緊急事態宣言期間中で、人はほとんど出ていませんでした)

会計期間という時間の流れ、その厚みは日々の活動の中にあります。
その動きによってこの光景は変化します。

単なる1枚の写真のようで、実はいろいろな要素が、厚みをともなっている。
その厚み、特に時間とその流れを意識することは大切だと思います。

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