「利益は意見、キャッシュは事実・現実」
キャッシュフローを学んで、経営に強くなりましょう。
お金は大事
商売をする上で、儲けも大事ですが、それ以上に大事なのはお金。ゼニです。
お金がなければ、商売は成り立ちません。
損益計算書は利益を計算します。
「今期は利益が1000万円あるのに、何でお金がないの?」
このギモンを解決すべく、キャッシュフローに注目します。
キャッシュフローについての本なり、記事なりを見ると、商売のキモである売上に紐づく売掛金。
これについて解説があり、売上の計上と入金のタイミングのズレにより、利益とお金は一致しない。
売上が上がれば、その分キャッシュフローはマイナス(お金が減る)になっっていく。
そして、おおよそこんなことが書いてあります。
なぜ売上債権が増えているのにキャッシュフローはマイナスと考えるのかというと、売掛金や受取手形は資産でありながらまだ現金化されていない状態だからです。
「ふむふむ、なるほど」
では売上債権の減少は?というと、あまり満足な説明はありません。
見かけるのは、たいていこんな感じです。
「売上債権の減少は未回収債権の回収を意味し、キャッシュのプラスを意味します」
「ふむふむ、なるほ・・???」
売掛金が減少すると、お金は増える?
売掛金が減少すると、ほんとうにお金は増えますか?
例えば、今月の売掛金勘定を見ます。
前月繰越:2000円、当月増加:500円、当月減少:1500円、次月繰越:1000円。
「売掛金の当月増加は、まだお金が入ってこないんだよな?
当月減少は、お金が入ってきている」
500円は入ってきていないけど、1500円入ってきた。
差し引き1000円のプラスなら、OKだな。」
「あれっ?お金が全然ないじゃん」
売掛金が減少するということは?
売掛金が減るためには、簿記の決まりに基づいて、仕訳がされます。
それを帳簿に記録することで、売掛金残高が減ります。
では、売掛金が減るときは、どんな仕訳がされているのでしょう?
1.売上代金(お金で)の回収
2.売上代金(手形で)の回収
3.返品(のため、売上取り消し)
4.値引き(のため、当初より目減りしている)
5.相殺(買掛金とチャラになった)
6.仕訳の間違い(谷口さん、また仕訳が間違ってますよ!)
6個ほど挙げましたが、この中でお金が入ってきているのは、1番だけです。
それ以外の5項目は、お金は入ってきていません。
もし売掛金減少の1500円のうち、1番が10円だけだったら、増えたお金は10円。
そのほかの売掛金減少、1490円分はお金は入ってきていません。
売掛金の減少=キャッシュが増える
とはなっていないのです。
特に、2,3,4は要注意です。
2.は支払条件を悪くされた
3や4は、自社商品、販売方法、売価設定など、ものすごく重要な欠点が隠れている可能性もあります。
「キャッシュは事実、現実」と唱えているだけではダメです。
現実にあるかどうか、ちゃんと事実を確認しましょう。