電子化するというのは、どういうことなのでしょう?
WordやExcelで、紙の書式に合わせた文書を作成することでもなく、
紙で書いたものをスキャンする、ことでもないと思います。
「データ」でやり取りするということではないでしょうか?
「糸氏エクセル」
「糸氏エクセル」。
エクセルやワードで作られた役所の書式を、揶揄した言葉です。
Excelはもともと、データを処理・活用するためのソフトです。
(「表計算ソフト」という言い方は好きではありません)
おもに役所で、もともと紙で作成された書式を、Excelで作成します。
Excelを方眼紙のように使い、紙の書式を完コピします。
たとえば、「123-4567」という郵便番号を入力してほしいときに、
1つのセルではなく、各セルに1つずつ数字を入れさせる書式になっています。
この書式の場合、郵便番号の1桁目(?)は、K列の16行目に入力しなければなりません。
郵便番号の2桁目(?)は、L列の16行目、以下・・・
各セルの数字は何の意味も持たなくなります。
このようにもともとのデータを、バラバラにしてしまう。
つまり、「紙」という漢字を「糸」と「氏」に分解してしまう。
こんなところから「糸氏エクセル」なんて言葉が生まれたようです。
1つのセルに郵便番号の情報を入力すれば、123-4567、あるいは、1234567という情報を持てます。
例えば郵便番号による「地域別の申請状況」なんて分析ができます。
「そんな分析、しないよ」
そんな声も聞こえてきそうですが、するかしないかは、そのとき判断すればいいです。
ただ、この役所の書式だと、そういう分析をしたいときに、できません。
(高度なプログラムでも組めば、できるかもしれません・・)
データで持つ意味は、この記事に書いています。
(個人的には、会計事務関係者の方には、ぜひ読んでいただきたいです)
・ワープロではなく、データソフトとして使う(Excel ピボット)
「糸氏ワード」
「糸氏ワード」という言葉は、あまり耳馴染みがありません。
が、似たようなことは現実にあります。
例えば、Wordで作成された、振込口座の口座番号を入力してもらう書式。
改行マークが不気味です。
で、口座番号1234567を入力しようと、1つ目のマスに「123・・」と入れようとすると、事件が起こります。
タテに書類が伸び始めます・・・
電話番号などの入力も、ゾッとします。
いちおう( )カッコに合わせて番号を入れていきますが・・・
苦労してお作りになられた書式は無残にも・・・
(注)この書式のお作法は、入力した文字分、空白を消さなければなりません。
まず紙で書式を作るのではなく
まず書式を紙で作ることを、やめてみてはどうでしょう。
この発想から抜けないと、いつまでも「糸氏エクセル」「糸氏ワード」からは逃れにくくなります。
体裁を整えるためには、どうしても「糸氏エクセル」「糸氏ワード」となります。
電子化するなら、電子化の書式(htmlなど)に合わせるべきです。
紙のものを、力技で無理やり電子化してはいけないのです。
「糸氏エクセル」「糸氏ワード」は電子化したことにはなりません。
お役所の皆さま、早く決別してください。 m(_ _)m
(会計事務関係の方も)