持続化給付金の申請が今月から始まっています。
申請は迅速可の観点から、電子申請のみの受付となります。
申請は原則、本人しかできません
お客様から申請について、お問い合わせをいただいています。
申請手続きについて、代理・代行のお願いをされます。
立ち位置として、税務・会計についての業務をしていますので、至極当然の流れです。
ただし、現時点では「持続化給付金」の申請は、他者が代理・代行をすることはできないとされています。
あくまでも「支援(サポート)」の範囲を超えることはできません。
知り合いの税理士の方のお話を聞くと、
「代理・代行の依頼は多いが、できないのでどうしよう」
そんなお話も多く聞かれます。
そのような問い合わせも多いのでしょう。
日本税理士会連合会のHPに、次のようなお知らせが出ました。
何とも、奥歯にものが挟まったような感もありますが、ここまでの案内が限界なのでしょう・・・
これを税理士がどう読んで、現場での対応としていくか、ということになるのでしょう。
2020/5/25に日本税理士会連合会のHPに、新たな情報がアップされました。
現実的な対応になりました。
まずは良かったですが、委員会は19日。
もう少し早くお知らせいただければとも思いましたが・・
電子申請が困難な方とはどんな方?
実際に現場をイメージしてみましょう。
最も困難な方は、概ねこういう環境と想定されます。
・パソコンを持っていない
・スマホを持っていない
・メールアドレスを持っていない
・会社や家にネット環境がない
このような環境の場合は、少し大変です。
・パソコン、スマホを買ってもらう
・メールアドレスを取得してもらう
・会社や家にネット環境を整備してもらう(テザリング環境を整備する)
これらが用意できたとして、それからパソコンなりスマホなりを操作しなければなりません。
・メールやネットの環境を整える
・入力や漢字の変換、PDFやらjpegやら、何だいこれ?
支援はこれらを隣りに座ってサポートすることになります。
事務所に来ていただくか、お伺いするか、いずれにしても外出を伴います。
近くでお話しますし、時間もかかりますから、三密も発生します。
会わずに電話やFAXでも大変です。
リモートでZoomやらSkypeなどを使えばという話も、そもそも不可能に近いでしょう。
HPにはこんな記載もあります。
・また、電子申請に不慣れな方や困難な方に対しても、感染症防止対策も講じた上で、予約制の申請支援(必要情報の入力等)を行う申請サポート会場を全国に順次設置する予定です。
どうにもならない場合は、最終的にここへ行っていただくことになるでしょう・・・。
実にナンセンスですが・・。
正直、経産省は現場をイメージしているのでしょうか?
それとも、そのぐらいの環境(パソコンやスマホ)がないのなら、申請するな、廃業しろというスタンスなのでしょうか。
東京都の感染拡大防止給付金のように、最初から一定の専門家のサポートを前提に進められなかったのかな?と今でも思います。
文句は文句としていいますが、現状は代理・代行をすることはできないので、特に同業の皆さんはご注意いただきたいと思います。
税理士は何でもできるわけではありません
税理士ができる代理行為は、税務代理のみですので、税金の申告など税金に関係する部分のみになります。
申請などいわゆる行政に関する手続きを行う専門家は、行政書士さんになります。
税理士も行政書士業務行うことが可能ですが、その場合は行政書士会に通知することになります。
通知とは「電話で連絡」みたいなことではなく、行政書士会に入り、会費を払って、きちんと登録するということです。
士業の業務はこのような制度を通じて、お互いの業務の明確化や区分けを行って、双方の業務の独立性を保っています。
このほかにも、例えば公認会計士さんは税理士業務を行うことができます。
ただし、この場合は税理士会に通知(上記と同様の手続き)しなければ、業法違反になるわけです。
幸いにして、税理士は事業者の方に一番近い位置にいられる専門家です。
よろず相談的なお話も多いと思います。
ですが、得意・不得意以外にも、できる・できないがあります。
税理士もここを自覚し、お客様にも理解していただくことで、いい関係を保ちたいものです。