領収書があるから経費になるわけではありません
「領収書があれば、経費になるよ」
「経費にしたいなら、領収書もらわないと」
よく聞くお話しですが、これは正しいわけではありません。
個人事業でも、会社でも、その業務なり事業に必要な費用は、経費になります。
会社が事業所の家賃を払ったり、飲食店が食材を仕入れたり、事務用品を買ったり。
Aさんが仕事で使うボールペンを、110円で買ってきました。
封を開けて、実際に使い始めれば、そのボールペンの購入費110円は経費になります。
Aさんは、経理の人から、そのボールペンの購入費110円をもらいます。
経理の人は、その支払いについて、記帳します。
領収書は「110円の仕事用のボールペンを買った」ことを明確にするものになります。
まどろっこしいかもしれませんが、事実とお金の流れはこうなっています。
SuicaやPayPayにチャージします
キャッシュレス化の先駆けとも言える、Suicaを始めとする交通系ICカード。
ICカードは事前にチャージして使います。
例えば5000円チャージすれば、5000円分の電車賃が払えます。
当初は交通費だけでしたが、その後コンビニなどでの支払いができるようになりました。
Suicaでおにぎりも、飲み物も、電池やノート・パンツまで、コンビニで買えるものは、買えます。
PayPayなども同じです。
クレジットカードや預金口座にひも付けて使うこともできますし、Suicaのようにチャージして使うことができます。
チャージはお財布にお金を入れただけ
「チャージしたときに領収書をもらってくれば、(それで)経費にできるよ」
「チャージした領収書があれば、(明細かなくていいから)経費精算がラクだよ」
そういうお話もよく聞きます。
お客様からも、聞きます。
これは間違いです。
チャージの領収書で、経費処理をすると間違いです。
チャージした時点では、財布に紙幣を入れたようなものです。
もちろん業務上の交通費を払うことや、事務用のボールペンをコンビニで買うこともできます。
が、休みの日に読むマンガ雑誌や、カップラーメンも買うことができます。
チャージ後、実際に仕事に関して使った場合に、その時の領収書をもって、経費とすることができるわけです。
チャージの領収書と、ボールペンを買ったときの領収書を精算にまわしたら、経費は二重計上で脱税になります。
お金は会社から二重にもらうことになり、横領になります。
チャージでは精算せず、使った都度、経費処理が正しいです。
領収書にしたのが間違いでは?
PayPayのチャージをしたときに出る紙は、「ご利用明細票」となっています。
一方で、Suicaのチャージをしたときは、「領収書」が出てきます。
もともと電車の切符の購入では、領収書をもらうことがありませんでした。
切符は降りるときに回収されてしまいます。
切符の代わりとして登場したからでしょうか。
チャージを交通費の前払い的な扱いと、考えたのでしょうか。
チャージしたことに対して「ご利用明細票」とか、「入金票」といったものが出ればよかったのでしょう。
・チャージしたときに「領収書」が出る
・領収書があれば経費になる(と思いこんでいる)
こんなことから、
「チャージしたときに領収書をもらってくれば、(それで)経費にできるよ」
「チャージした領収書があれば、(明細かなくていいから)経費精算がラクだよ」
こんな流れになっていってしまったのかもしれません。
ともあれ、チャージの領収書があっても、それは経費ではありませんから、お間違えのないように。
ーーー
MQ会計セミナーのお知らせ
戦略MQ会計セミナーを行います。
MQってなに? PQ? VQ?
会計のセミナーですが、難しい会計用語は使いません。
そして、どうやったら利益が出るのかを「考える力」を養ってください。
詳細、お申込みはこちらからどうぞ