消費税の軽減税率導入で注意しなければならないこと(免税事業者)

最近、こんなパンフレットが送られてきているようです。
うちにも送られてきました。

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消費税は2019年10月1日に改正されます。

おそらく延期はないでしょう。
不満はあっても法は法。
導入される前提で、準備はしておかなければなりません。

一番の改正点やはり軽減税率。
日本では初めて、複数税率の導入となります。

今から30年前、とにかく導入するために、歪みやいびつを含んだままスタートした消費税。
政治的な絡みもあって、その歪みはなかなか解消されないまま来ました。

その最たるものが免税事業者だと私は思います。

免税事業者って?

免税事業者とは、事業者であっても消費税を納めなくていい事業者を言います。
細かな説明は省略しますが、2年前の売上が1千万円以下であれば、申告納税の義務なしです。

もちろん、売上時には消費税を付けて請求ができますので、受け取った消費税のうち納めなくていい部分が出てきてしまいます。

これが「益税」と呼ばれるもので、不公平だとされてきました。

免税事業者も大きく変わることになります

今回の改正で、原則として免税事業者を無くす方向になってきました。

今までは免税事業者から仕入れたものも、消費税がかかっているとみなして、その分の消費税は控除できました。
例えば1,080円のものを買えば、80円は控除できるのです。

免税事業者がその80円について、消費税を納めていなくてもです。

ですが改正で「事業者(仕入先)が消費税を申告納税していない場合は、その事業者から仕入れた消費税は控除できない」となりました。
段階的に2023年までの期間をおいて、徹底されていきます。

これにより仕入先の選別がされる可能性が高くなりますので、現状免税事業者でも課税事業者にならざるを得なくなってきます。
おそらくその先は、ほんとうに小さな事業者を除き、すべてが課税事業者になると思います。

とりあえず、何をすればいい?

2019年10月の改正以降、免税事業者であっても取引先から「区分記載請求書」を求められる可能性が出てきます。

これは、「私が販売等したものはこのように消費税がかかる取引です」という内訳明細です。
基本的には現在作成している請求書に、
・軽減税率の対象品目である旨
・税率ごとに合計した税込対価の額
を記載しなければなりません。

なので、特に軽減税率の対象になる食料品等を取り扱う事業者の方は要注意です。
どれが10%で、どれが8%か、書き分けなければならないからです。

「消費税、うちは免税事業者だから・・」
といわずに、送られてきたパンフレットも消費税関係は見てくださいね。

私もこれから随時記事を書いていきますので。