「もれなく、だぶりなく」
ロジカルシンキングの手法の1つです。
図のようなマトリックスを書いて、正しく全体を認識できているかを確認します。
「もれなく、ダブりなく」の英語の頭文字を取って、MECEとも表します。
このように分類できれば、思考がすっきりしますね。
一見、簡単そうに見えるこの分類。
実は2つに分けるの、とても難しいです。
表と裏、右と左、上と下なんていうのはすぐに分けられます。
ただ、こんな簡単な分類だけならMECEを使うまでもないでしょう。
思考をスッキリさせるための手法ですから、こんがらがっているものにMECEを使いたくなります。
上下、左右に分けたつもりでも、実はきちんと2分割になっておらず「じゃ、これはどうなる?」ということがまま出てきてしまいます。
漏れがないかの証明が難しいのです。
税法の定義が参考になります
法人税法
(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 国内 この法律の施行地をいう。
二 国外 この法律の施行地外の地域をいう。
三 内国法人 国内に本店又は主たる事務所を有する法人をいう。
四 外国法人 内国法人以外の法人をいう。
五 公共法人 別表第一に掲げる法人をいう。
六 公益法人等 別表第二に掲げる法人をいう。
七 協同組合等 別表第三に掲げる法人をいう。
八 人格のない社団等 法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものをいう。
九 普通法人 第五号から第七号までに掲げる法人以外の法人をいい、人格のない社団等を含まない。
九の二 非営利型法人 一般社団法人又は一般財団法人(公益社団法人又は公益財団法人を除く。)のうち、次に掲げるものをいう。
こんなとき、参考になるのが実は税法の定義の条文。
ほんとによくできています。
どの税法も第2条に定義があります。
ここで主な用語について、きちんと定義づけがされています。
定義づけがあいまいだと、課税漏れ(税金の取りっぱぐれ)が生じてしまうからです。
ですので、税金の定義はだいたいまず一つの定義を決め、それ以外(該当しないもの)という構成がほとんどです。
MECEで2つの分類を考えることもよいと思いますが、「これ」と「これ以外」という分けから入って、深掘りしていくのが意外に近道かもしれません。